こんにちは。ライターの斎藤充博です。
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、自宅で仕事をする人が増えてきました。自宅で仕事をするのは最高につきる。この流行がおさまっても、自宅で仕事をする流れはしばらく続きそうな感じです。
さて、家で仕事をしていると悩ましいのが「昼食」ではないでしょうか。個人的にこんな風にできたらいいな~と思っています。
・自分で作るなら、できるだけ簡単にしたい
・忙しいときは、短時間で調理したい
・家にこもりっきりだから、ローカロリーにしたい
・肉も野菜も、バランスよく食べたい
僕は新型コロナウイルス以前から在宅で仕事をしており、昼飯もずっと自分で作っております。いろいろな物を食べてきましたが、これらの要望を満たす、「これが仕事しているときの昼飯として最強なのでは……」と思うものにたどり着きました。
それは「1人用鍋の素」です。こういうの。スーパーやコンビニに売られていますよね。「昼間から鍋?」と思う人が多いかもしれませんが、これがすごく便利なんです。
「鍋」という先入観を捨てる
鍋には、「夕食時のメニュー」、「一家団欒」というイメージがあると思います。昼飯を最強にするためには、まずこの先入観を一度捨てて下さい。
これは1人用鍋の素の中でも特にメジャーな「鍋キューブ」の包装をむいたところです。「キューブ」とはよく言ったもので、四角いかたまりですね。
初めて見た人はこのルックスから「鍋料理」を思いつくでしょうか。多分思いつかないでしょう。単なる「味のかたまり」だな、くらいに思うはずです。それにならい、あなたも1人鍋の素を「味のかたまり」と考えてみてください。
あなたがこれから「1人鍋の素」を使って作るのは、大仰な「鍋料理」ではありません。「肉と野菜を味のかたまりで味付けしたもの」です。そこからすべては始まります。
とにかく冷蔵庫にある物を何でも入れてみる
鍋料理を作るときには、多くの人は具を十分に吟味すると思います。しかし、先ほども申し上げたように、「鍋料理を作る」という感覚をここでは一度忘れて下さい。
こちとら忙しいフリーランスなのに、昼間っからそんな多種多様な具をそろえていられません。
そして「冷蔵庫にある物」を1人用鍋の素……、いや「味のかたまり」で味付けするだけです。具材も1つか2つで十分です。
・鍋キューブ「鶏だしうま塩」:1個
・水:180ml
・豚こま肉:食べたいだけ
・小松菜:好きなだけ
【レシピ】
よく煮る
鍋キューブの「鶏だしうま塩」に「豚こま肉」と「小松菜」を入れました。在宅勤務のお昼にはこれで十分ではないでしょうか。肉も野菜も好きなように摂ることができます。
鍋ではなくて丼で食べていることにも着目してください。いまここに「1人用鍋の素」は「鍋料理」から完璧に解き放たれたことがよくわかるのではないでしょうか。
なお「なんだかあまりうまそうに見えないし、さみしそうな食事だな」という感想はとてもよくわかります。決して見た目はよくありません。でも、うまいっスよ。
これは「坦々ごま鍋の素」です。パッケージの裏を見ると、豚バラ、豚挽肉、チンゲンサイなどが推奨されているようですが、これも無視します。
・プチッと鍋「坦々ゴマ鍋の素」:1個
・水:150ml
・冷凍餃子:好きなだけ
・モヤシ:適量
【レシピ】
よく煮る
プチッと鍋の「坦々ゴマ鍋の素」に冷凍餃子とモヤシを入れてみました。このように何を入れてもいいのです。坦々スープと餃子の味わいがとてもよくあいます。
ものすごく白くなってしまいましたが、その点だけ目をつむってください。
さて、このように「家にある物を何でも入れる」ということをやると、1つの疑問がわいてくると思います。
「鍋の素と具の組み合わせの相性はどうなの?」
もっともです。しかし、はっきり言いますが
「鍋の素は何を入れてもそこそこうまい」
です。
・鍋キューブ「ぽかぽか生姜みそ鍋」:1個
・水:180ml
・豚こま肉:あるだけ
・白菜:好きなだけ
・厚揚げ:売ってるやつを半分くらい
【レシピ】
よく煮る
鍋キューブの「ぽかぽか生姜みそ鍋」に「豚こま肉」と「白菜」と「厚揚げ」を入れたものです。この取り合わせは、メチャクチャ適当です。しかし、ちゃんとうまい。
相性などということは気にせずにどんどん具を入れてください。あなたはこの調理法において、決して失敗することはありません。
こう考えると、昼飯を作っている自分がなんだかとても「自由」になれた気がしませんか? 窓を開けて空を見上げましょう。空はどこまでも広がっているのです。
水が沸騰してから5分でできる
この調理方法の最大のメリットはとにかく「短時間でできる」ということにつきます。
・鍋キューブ「鯛と帆立極みだし」:1個
・水:180ml
・唐揚げ用の鶏モモ肉:お腹いっぱいになる量
・シメジ:好きなだけ
・ヒラタケ:好きなだけ
・豆苗:いくらか
【レシピ】
よく煮る、あっという間に煮える
鍋キューブの「鯛と帆立極みだし」に「鶏モモ肉」と、「シメジ」と、「ヒラタケ」と、「豆苗」を入れたものです。この鍋、できあがるのに5分かかりません。
鶏モモ肉はスーパーで「唐揚げ用」として一口大に切ってある物を使いました。シメジと豆苗は包丁を1回しか入れていません。ヒラタケは手でちぎるだけです。もちろん、鍋の素を入れるだけなので、調味料の計量などしません。水の計量はした方がいいのですが、2~3回作ったらあとは目分量でも大丈夫です。
・プチッと鍋の素の「坦々ごま鍋の素」:1個
・水:150ml
・豆腐:小さい物を1丁
・挽肉:好きなだけ
【レシピ】
よく煮る、気がついたらできてる
どうせなら、もっと速くできないかと思って、プチッと鍋の素の「坦々ごま鍋の素」に「挽肉」と「豆腐」を入れてみました。めちゃめちゃ早い。お湯を沸かしてから1分くらいでできます。
ここで、「そこまで急いで昼飯を作る必要があるのか」「少し時間をかけてもうまい物を食べた方がいいよ」 と思う人がいるかもしれません。
しかし、これくらい短時間で作れると、昼食を食べた後に罪悪感なくちょっとした昼寝をすることができます。本来なら20分くらいはかかる昼食作りを、1分でこなしているのですから、19分間昼寝をしてもスケジュール的にはまったく問題がないのです。
そして、仕事がせっぱつまっているときの「昼寝」は、ちょっと手の込んだ食事よりもずっと甘美な味わいがあります。
糖質の分量が自由自在
1日中在宅で仕事をしていると。動かなくなりがちです。体重が増えてしまったという人も多いのではないでしょうか。……などと他人事のように書きましたが、僕がそうです。
在宅勤務のひとりご飯に「1人用鍋のもと」を使うメリットは、早さだけではありません。「どんな食材を入れてもOK」なことから、栄養素のコントロールがしやすいのです。
・鍋キューブ「鯛と帆立極みだし」:1個
・水:180ml
・鶏胸肉:好きなだけ
・ブロッコリー:好きなだけ
【レシピ】
よく煮る
糖質を控えめにしたい人は、こんなものはいかがでしょうか。鍋キューブの「鯛と帆立極みだし」に「鶏の胸肉」と「ブロッコリー」を入れてみました。ブロッコリーと和風のダシの味わいが意外にうまいです。
・できあがった鍋:1つ
・冷凍うどん:1つ
【レシピ】
鍋を食べながら、冷凍うどんをレンジでチンする。冷凍うどんが温まったら、鍋に入れる
「別に糖質を気にしていない」という人は、冷凍うどんをレンジでチンして入れてみてください。これは、前述の「鶏だしうま塩」に「豚の小間肉」と「小松菜」の鍋に、うどんを入れたたものです。うどんとしてはかなり具だくさんになります。
・鍋キューブ「鶏だし・うま塩」:1個
・水:180ml
・ソーセージ:2本
・白菜:3枚くらい
・シメジ:少し
・餅:2つ
【レシピ】
餅を焼く、よく煮る
餅を入れるのもいいですね。我が家では正月用にに実家から送られてきた餅がまだ残っています。餅って冷凍しておくと相当長持ちするんですよ。
・プチッと鍋「寄せ鍋の素」:1個
・水:150ml
・冷凍うどん:1個
・ネギ:なくてもよい
【レシピ】
よく煮る
ちなみに、肉や野菜を一切入れずに、素うどんを作ってもうまいです。めんつゆに飽きた方はどうぞ。
オススメ1人用鍋の素
僕がよく使っている1人用鍋の素を紹介します。とりあえず、この2つを台所にストックしてみるのはいかがでしょうか。
鍋キューブの「鯛と帆立の極みだし鍋」です。すごく上品な味がします。どんな食材にもよくあうのがとても頼もしい。
今回のテーマの1つである「早く料理ができあがる」という趣旨からは外れるのですが、これで大根を長時間煮込むとかなりおいしい煮物ができあがります。晩のおかずの副菜にでも作っておくと「気が利いているなあ」と自分で自分に感心することになります。
プチッと鍋の「担々ごま鍋」です。ゴマの味が濃厚でうまい。できあがりにごま油を数滴たらすと、香りが数段アップします。
ちなみに、これで炒め物を作ってもうまいです。かなり万能な存在だと思います。
スーパーに行くと他にもいろいろな1人用鍋の素はあるので、どんどん試してみてください。悩む必要は一切ないです。どれもうまいですよ。
■ ■ ■ ■ ■(←鍋キューブをかたどった記号)
というわけで、「1人用鍋の素」の話でした。僕も最初はインスタントラーメンなどをよく食べていたのですが、途中で「鍋の素」の方が自由度が高いということに気づきました。
いま家の中に大量の「1人用鍋の素」がストックしてあります。いろいろ買っても、場所を取らないのもいいですね。
今日も鍋の素で昼飯食べて、午後もバリバリ仕事をするぞ~。がんばるぞ~。がんばるぞ……。
若干のディストピア感がなきにしもあらずなのですが、やっぱり便利でうまいので、これからも鍋の素を使い続けます。
著者プロフィール
Source: ぐるなび みんなのごはん
在宅勤務のひとりご飯は「1人用鍋のもと」が最強なんじゃないかと思っている