どうも、料理芸人・クック井上。です!
僕はいろんなジャンルの飲食店に訪れてあらゆるお料理を食しますが、昨年2020年のTV出演のほとんどが餃子関連。
そう、料理芸人というか“餃子芸人”と言ってもよいほど餃子が大好物な僕ですが、昨年、ギョギョギョ!と度肝を抜かれた餃子店があります。餃子好きならぜひとも足を伸ばして辿り着いてほしい餃子専門店です。
それがこちら!
京王井の頭線の代田橋駅から徒歩5分、2019年11月オープンの「餃子 SUNSU(サンスー)」。
環七通り沿いとはいえ、ひっそりと建つ狭小ビルにあるので、地元住民以外はなかなか気が付かないようなお店かもしれません。
ですが再度申し上げます…餃子好きならぜひとも辿り着いてほしい餃子専門店です!(激推し)
それでは、狭小ビルの細い階段をのぼり、お店のある3階へあがってみましょう。
怪しい光に包まれたドアが出現。
ドアを開けて入店すると、あらステキ!
エキゾチックな、小さな屋台がそのまま収められたような風情のかわいらしい店内です。
そしてコチラが店主・鈴木則行さん。
どこか、こだわりのあるアパレルショップの店員さんを思わせる、おしゃれな雰囲気を醸し出しています。
さて、ここで皆さんにご覧いただきたいのが、餃子のメニュー表。
いつも提供されているお店の名前を冠した「サンスー餃子」以外に、その日限定の、攻め攻めの餃子が!
「サバと大葉のスパイス餃子」
「ブルーチーズとパクチーの水餃子」
「シカ肉とキノコのジビエ餃子」
くぅー、メニュー名を聞いただけで、センスがドボドボ溢れています。
しかも、メニュー表の右上に目をやると…
“全粒粉の手作り皮”の文字。
期待感高まるでしょ?
マジで高めるだけ高めて訪店してほしい! それを遥かに超えてきますから!
さっそく注文しちゃいましょう。
まずは焼き餃子「サンスー餃子」「サバと大葉のスパイス餃子」「シカ肉とキノコのジビエ餃子」の3種から。
ちなみに、全粒粉の皮に包まれた餃子を丁寧に焼き上げるため、焼き時間は若干長めの10分。
すぐに出てくるメニュー「旨ダレもやし」「セロリの浅漬け」などを肴に、お好きなアルコールで喉を潤しながら待ちましょう。
(ビール、グビグビグビ…)
待つこと10分、到着した焼き餃子たちがコチラでギョザいます。
うひょー、焼き目最高じゃないですか!
愛情込めて焼き上げられたのがよく伝わります。
それでは、まずは左の「サンスー餃子」からいってみましょう。
お箸で持ち上げてみると独特なヒダがお目見え。
右側にヒダがあり、左側にはありません。
いやぁ、デザインとして美しい…そして香りもよい!(うっとり溜息)
店主・鈴木則行さんいわく「まずは、どの餃子もタレをつけずにそのまま食べるのがオススメ」とのことで、そのままガブり!
うわぁー、皮がたまらん…。
モチモチなだけでなく、トルティーヤのような歯に吸い付く感じが心地よい。
全粒粉ならではの香りが鼻をくすぐり、絶品です。
餡は、お店が独自に配合したタレを用いており、しっかり目の味付けで完全にビール泥棒。
具材は豚肉、キャベツ、ニラとシンプルですが、わざわざ手作業で好みのサイズに刻んでいるという豚肉から、食感、舌触り、旨味がバッチリ伝わってきます。キャベツやニラも、豚肉の食感に合わせて存在感がある大きさにカットされていて、非常に繊細。
このままで十分美味しいのですが、途中からは味変を楽しむもよし。
醤油、酢、自家製ラー油、胡椒など、オーソドックスな調味料に加えて、特製黒酢ダレ、味噌ゴマダレ、特製ダレ シークァーサー、特製ニンニクダレが用意されています。
タレまで自家製とは恐れ入りました。
組合せによって、その味の可能性は∞です。
基本の「サンスー餃子」で完全に先制パンチを喰らいましたが、お次は「サバと大葉のスパイス餃子」とまいりましょう。
おー、食べる前から、もうスパイシーな香りが伝わってくるではないか!
いっちゃいましょう。ガブり…
例のごとく、皮を噛めば全粒粉の香り。
その後から、サバの芳醇な旨味と大葉の香りが追っかけてきます。
さらにさらに、単純なカレーとも違う複雑でエキゾチックな香辛料の香りがフワ~っと鼻腔をくすぐります。
クミン、コリアンダーなど、実に10種類ものスパイスを使用しているとのこと。
普通、餃子の具材といえばお肉と野菜ですが、お魚を使った餃子、よいですね~。
青魚は味が濃厚なので、スパイスとの相性も抜群。
爽やかなレモンサワーと合わせたくなる餃子です。
すでに大満足の笑顔とともに、お次は「シカ肉とキノコのジビエ餃子」をば。
ガブり!
使用している鹿肉はエゾシカで、驚くほど獣臭さがなく、とても上品な味わい。
挽肉をあまり練り込み過ぎず、食感や舌触りをはっきりと残しているのも◎です。
鹿肉の旨味を味わっていると、そこにキャベツの食感+キノコの旨味成分・グアニル酸が追いかけてきます。
キノコは、なんと白のエノキと茶色のエノキのダブル使いという芸の細かさ。
餃子の体裁になっておりますが、これはもはやレストランで供されるパイのような完成度で、赤ワインがほしくなります。
さてさて、絶品焼き餃子のワン・ツー・スリー!と、テンポよくパンチを喰らったところで、水餃子のお出ましです。
その名も…「ブルーチーズとパクチーの水餃子」。
包み方は同じものの、さすが水餃子、お箸で持った感じがしっとり滑らか。
焼き餃子もいいけど、この全粒粉の皮は水餃子で食べても絶対間違いないはずだゾ。
カモーン、パクっ!
焼き餃子の香ばしさとはまた違う、湯気で感じる全粒粉の香りがたまりません。
そして餡の、ブルーチーズのクセ×パクチーのクセが超絶マッチ!
忍ばせたキャベツの食感もよく、何ともおしゃれな一皿です。
これは本当に餃子か? ここは本当に新代田か?
イタリア北部のビストロだかリストランテだかで出会える一品ではないのか?
どれもこれも、お客の心をくすぐる餃子ばかり!
その生みの親であり、間違いなく超絶ハイセンスの持ち主であろう店主・鈴木則行さんにお話を聞いてみなければ。
あらゆるところにキラリと光るセンス!異色の経歴だからこそ生まれた餃子専門店
どの餃子もとても美味しかったです。こちらのお店を開店する前の経歴が気になるので、教えていただけませんか。
現在の店の前は、東京某所で12年半ダイニングバーをやっていました。幅広いジャンルの料理と300種ほどのお酒を提供し、LIVEやさまざまなイベントもおこなう店でした。
なるほど、だからどれも既成概念にとらわれない、多彩な味わいが楽しめる餃子だったのですね。そして、さすが300種類のお酒を扱っていただけあって、どれもそれぞれに合ったお酒とのマリアージュを楽しみたくなる餃子でした。今日の限定餃子以外に、いままでどんな種類の餃子を生み出されてきたのですか? また、そうしたアイデアはどこから湧いてくるのか、教えてください。
限定餃子を作るときは、自分が食べたいと思うものをイメージし、それを形にしていく感じです。少し前は「栗と豆」「サンマと柚子胡椒」「鶏と粒マスタード」「牛肉のバター醤油」などの餃子を出していました。お店のインスタグラムでは、限定餃子を随時お知らせしています。
どの餃子も、組み合わせを聞くだけでヨダレが出ますね。全粒粉の皮にしようと思ったきっかけは何ですか?
さまざまな種類の粉や配合を試した結果、いちばん美味しいと思ったのが現在の全粒粉の皮だったんです。
全粒粉の皮は、本当にごちそうでした。餡との調和をもたらす、繊細な配合バランスが凄いです。そして餃子だけでなく、インテリアや店内で流れるレゲエなども含めて、すべてのバランスが絶妙でした。
レゲエは、店の雰囲気に合うのでよくかけています。実は、趣味でレゲエバントをやっているんです。食と同じく、音楽もレゲエだけでなくさまざまなジャンルを聴きます。
センス最高です。鈴木さんのファッションにもセンスを感じるのですが、何かされていたんですか?
昔、アパレル業界にいまして、コレクションをやるブランドなどで服作りをしていました。
やはり…。隠しきれないおしゃれ感、たしかに醸し出されておりました。では最後に、今後の展望、夢を教えてください。
今後、たくさんの人に「SUNSU」の餃子を知ってもらい、新しい餃子体験をしてもらいたいです。あっ、先入観なく餃子を楽しんでいただきたいので、過去の話はこのへんで(笑)。
あれこれ根掘り葉掘り聞いてしまい、申し訳ありません…(汗)。
ということで、いろいろなお話をうかがえました。
お忙しいなか、ありがとうございました!
「SUN(サン)=太陽、自然の美味しい恵みを餃子で包む」という意味に「SU(スー)=鈴木さんのニックネーム」を組み合わせて名付けたという、「餃子 SUNSU」。
自然が生み出した素材の個性を見極め、どのように組み合わせたら美味しくなるかを店主・鈴木さんが自由にイメージ。その思いを絶品の餡として具体化し、小麦を余すところなく使った全粒粉の皮で包み込むという、まさに店名を体現した餃子を味わうことができました。
最寄り駅の新代田駅は、京王井の頭線の下北沢駅と明大前駅の間という、住民以外はなかなか降りることのないかもしれない場所ですが、「餃子 SUNSU」に訪れるためだけに新代田で下車する価値があると断言します。
さぁ、全国の餃子ファンよ、「餃子 SUNSU」のアヴァンギャルドな餃子を味わうがよい♡
そして餃子だけでなく、インテリアや音楽のセンスも、あわせて楽しんでほしいと思います。
追伸:ご時世的に、テイクアウトメニューにもぜひご注目ください!
(編集:漆原直行)
紹介したお店
餃子 SUNSU (サンスー)
電話:050-7303-4233
住所:東京都世田谷区大原1-25-7 三美ビル 3F
営業時間:18:00~24:00
定休日:日曜日
https://www.instagram.com/gyoza_sunsu/
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
著者プロフィール
フードコーディネーター・野菜ソムリエ・食育インストラクター・BBQインストラクター等、7つの食の資格を持つ料理芸人。 料理教室講師・食のイベントMC・レシピ開発・食品プロデュース等を務め、“最強料理芸人”の異名をとる。EX「『ぷっ』すま」やTBS「爆問パニックフェイス」の料理バトルでは優勝を果たしている。その他の出演歴は、NHK「グッと!スポーツ」・NTV「得する人損する人」・TBS「はなまるマーケット」・TX「TVチャンピオン極」等。
Twitter:@cook_inoue
Instagram:cook_inoue
ブログ:料理芸人・クック井上。の「ようこそブログへ クック クック♪」powerd by Ameba
Source: ぐるなび みんなのごはん
餃子芸人も完っ全に脱帽…! 代田橋「餃子 SUNSU」の餃子に旨味とセンスがはち切れる寸前まで詰まってた