読者の皆さんにとって「ビーフン」ってどんな存在でしょうか。「中華料理屋の定食の付け合わせ」「アジア料理屋で汁ビーフン食べたことあるかも」くらいですかね? だとしたら、ちょっともったいない!
今やビーフンは「台湾カステラ」「高級食パン」に並ぶネクストブレイクグルメとして注目されているんですよ。ってのは言い過ぎかもですが、ビーフン業界がかなり盛り上がっているのは事実です。あ、業界と言ってもほぼオンリーワン企業の『ケンミン食品』が独自に日本総ビーフンプロジェクトを繰り広げているって話なのですが…。
ケンミンと言えば「フライパンにぶっこんで水入れて炒めるだけで焼ビーフンが出来上がる」という画期的な商品で知られるビーフン業界のリーディングカンパニー。その「ケンミン焼ビーフン」、2020年に誕生から60周年を迎えました。
北日本の人には馴染みが薄いと思いますが、西日本でケンミン焼ビーフンを知らない人はおそらくいないでしょう。コロナ禍のおうちごはんでお世話になっている人も多いと思います。実は今春、大幅にリニューアルしたって知ってました?
- 四角から丸へ
- 神戸本社には直営レストランの「健民ダイニング」がある
- なんじゃこれ!見たことのない自販機が…
- ビーフンで日本を制覇!47都道府県のご当地ビーフンを順次発売
- 「宮崎地鶏入りのビーフン」がヒットしすぎて1週間で1万2000食完売
- 仲良しのカレー屋とコラボも!「マンドリルカレー焼ビーフン」発売
- バーチャルレストランの取り組みもはじめました
- 自販機で買ったビーフンもばっちり。ちなみに春雨も◎
- 紹介したお店
- 著者プロフィール
四角から丸へ
四角いビーフンが丸くなったんです!
そんだけ?とか言わないでください。何せ、丸くなったことでフライパンに入れやすくなり、3個くらい一気に調理できるようになったんですから。2個じゃ足りない私、猫田には朗報です。
そんなケンミン食品、実はいろいろなビーフンを発売しています。オーソドックスな「鶏だし醤油」から「こく旨塩」「幻のカレー」「ライスパスタ」などなど…。米を使った乾麺なら何でもござれって感じですね。
猫田も関西に来てからその魅力にハマってしまい、「焼ビーフン食べたことない」という人に出会うと「食べてよ!」と懇願するほどに。個人で自称ビーフン大使をやっている自分と向き合い、一度このビーフン愛を訴えに本社に乗り込んでみるか…と取材に伺うことにしました。
神戸本社には直営レストランの「健民ダイニング」がある
ケンミン食品本社は神戸元町の中華街(南京町)から少し歩いた国道沿いにあります。入り口にビーフンがディスプレイされているのですぐ分かります。
なんと1階には直営レストラン「健民ダイニング」があり、特級厨師(中国料理の上級認定資格)が作る「福建風五目焼ビーフン」(880円)をはじめとしたビーフンメニューや本格中華料理が味わえます!
「一流シェフが作るビーフンっつっても、家で作るのと同じじゃね?」と失礼な疑問を抱いたアナタ。まず仕込みが違うんです。味のついていないビーフンを湯戻しして、XO醤などを配合したタレと一緒にタマネギ、ニンジンを入れて炒めて野菜の旨みを染み込ませ、仕上げに野菜を入れながらもう一度味を調えて…。家でできますか!? なかなかできないですよね。
しかも家庭と違い火力が強いので、香ばしさとムッチムチ感が段違いなのです。
さ~て、ビーフン食ってガソリン入れたところで、取材開始です!
なんじゃこれ!見たことのない自販機が…
建物の周りをウロウロしていたら、国道側に佇む黄色と青のケンミンカラーの自販機に遭遇。ケンミン坊やのマークが入っています。まさかこれビーフン出てくるってやつ…?
そうで~す!広報の田中さんと西川さんが登場。
すかさず物かげから飛び出して来たのは広報ご担当の田中国男さんと西川遥香さん。いろいろツッコミたいことはありますが、まずこれ、まさかビーフンの自動販売機!?
田中さん そうです!今年の9月1日から設置しています。中身はレンジでチンするだけで食べられる冷凍ビーフン。サンデン・リテールシステムの「ど冷えもん」という冷凍自動販売機にビーフンを入れてケンミン仕様にしたものです。
――どざえもん!?
田中さん どひえもんです。ってそこじゃないです!なんとビーフンメーカーとして初の自動販売機となります。
――そうでしょうねえ。てか、売れてるんですか。
田中さん もうバカ売れで。1日50個くらい出ればいっかと話していたら、230個ぐらい売れてて、行列ができることもあります。国道走ってるバイクの方が「えっ!ビーフン!?」て二度見して停めて買われたり、おばさまが自転車で颯爽と買いに来たり。
――田中さんここでずっと見守っているんですか。
田中さん 一日中ってわけじゃありませんが、つい立っちゃってますね〜。
田中さん なぜか真夜中に大量に売れたりするんですよ。この辺り、コンビニが少ないためでしょうかね。
――「コンビニ遠いしビーフンで良いやん」って、神戸っ子のビーフンアドバンテージ、高すぎ(笑)。もっと自販機増やす予定ですか?
田中さん 11月に工場のある篠山市に設置する予定です!じゃんじゃん増やしたいです!
――そもそもなぜ自販機で売ろうと考えたんですか。
田中さん コロナで直営店の営業も限られてしまい、このままでは皆さんがビーフンを食す機会が減っちゃう!という危惧からです。現在、国内では年間1億食のビーフンを食べていただいていますが、それを2〜3億食にまで増やしたい。放っておいたら食べてくれません!なので24時間いつでもビーフンを買える仕掛けを考えました。
と、路上でアツいビーフン愛が炸裂し始めましたので、話は社内で伺うことにしました。
ビーフンで日本を制覇!47都道府県のご当地ビーフンを順次発売
日本総ビーフン計画の一つとして2020年6月にスタートしたのが「47都道府 ケンミン焼ビーフンプロジェクト」。各地の食材を使ったご当地冷凍ビーフンで、第1弾は「千葉」、第2弾は「宮崎」、第3弾は「兵庫」、第4弾は「秋田」。千葉の野菜を使ったり、淡路島産新玉ねぎを使ったりとそれぞれご当地色を出していますが…。
「宮崎地鶏入りのビーフン」がヒットしすぎて1週間で1万2000食完売
中でも、今年2月に販売されていた第2弾「宮崎ケンミン焼ビーフン」のクオリティが凄い。「みやざき地頭鶏(じとっこ)」と「みやざきビタミンピーマン」を贅沢に使い、宮崎県産の青柚子胡椒をアクセントに味付け。特別に試食させていただきましたが、これ、ビーフンを超えた究極の麺料理と言える美味しさです。残念ながら期間限定なので今は販売していません…。
次は「和歌山」を予定しているそう。「具材は考え中で~す!」とのこと、楽しみにしていてくださいね。ちなみに「秋田」はまだ販売中です!
仲良しのカレー屋とコラボも!「マンドリルカレー焼ビーフン」発売
まだまだ紹介したいプロジェクトがあるので、ここからは駆け足でいきます。
ケンミンは他の会社やお店とコラボするのも大得意。この9月にも、神戸のカレー専門店「マンドリルカレー」とタッグを組んだ「マンドリルカレー焼ビーフン」を発売しました。
同店監修のもと、牛肉の旨みをベースにカルダモン・クミン・コリアンダー・オールスパイスなど20種類以上のスパイスを配合。ちなみに、9月1日~30日の期間中、『YUNYUNルクア大阪店』で特別コラボレーションメニューを提供していたのでお邪魔してきました。
従来のカレー焼ビーフンと全然違い、相当カレー好きな人が作ったな!と感動するほどのスパイス感です。ちなみになぜ「マンドリルカレー」とコラボしたのか聞きましたら「社長が友達なので!ウチ結構そういうのが多いです」と田中さん。
そういうフランクな社長、好きです!
バーチャルレストランの取り組みもはじめました
「全国民にビーフンチャンスを」プロジェクトは自販機設置だけにとどまりません。なんとこの度「バーチャルレストラン」を立ち上げ、「出前館」のシステムを通じて自宅にビーフンを宅配する事業を始めてしまったのです!
と聞いてもイマイチよく分かりませんね。田中さんに何度も説明してもらってようやく理解したのですが、要するに「出前館」の中にケンミンが出店し、出前館の加盟店にビーフンを作ってもらって届ける仕組みだそうです。
つまり普段ハンバーガーとか寿司とか他の料理を出しているお店にケンミンの焼ビーフンを作って届けてもらうということなのですが、味にバラつき出ませんかね?と心配しましたら「商品はほぼ完成したものを冷凍し、お店で仕上げるだけにしてあります。調理工程と技術もマニュアル化し、10分以内の調理でできるようオペレーティングしています」と自信満々。
ほんじゃーそのデリバリービーフンとやらを頼んでみようじゃないかと思いましたら、「第1号店は首都圏エリアで、10月内をめどに提供スタートします」とのこと。な~んだ!猫田の住んでいる大阪はまだまだ先になりそうですね。
しかし5年後の2026年には全国100店舗に拡大予定だそうです。ということは、これまでビーフン不毛地帯だった北日本でも出来たてのビーフンが食べられるようになるんですね!
ノンビーフンエリアの方々、覚悟してください。着々とビーフン維新の波が迫っていますよ!
自販機で買ったビーフンもばっちり。ちなみに春雨も◎
せっかくなので、自販機の冷凍ビーフンを自宅で調理してみました。っつっても袋ごとレンジでチンするだけです。
猫田的に一番感動したのが、この「チャプチェ」。レンジから出した瞬間、部屋が韓国料理店のようなコチュジャンの香りに包まれました。具もこんなにいっぱい!
春雨もツルツルムチムチで、その辺の韓国料理店で食べるよりも断然旨い。ケンミン凄い!…ってコレ、ビーフンじゃなかった、春雨でしたね。
これだけビーフンビーフン言ってて、最後に春雨褒めて終わりって(笑)!
あ、でもケンミンはビーフン以外にちゃんと春雨もタイの自社工場で製造しています。「次は春雨だ!」と春雨戦争も仕掛けてきそうですね。
ぜひオンラインショップやスーパーを覗いてみてくださいね!
紹介したお店
著者プロフィール
Source: ぐるなび みんなのごはん
日本総ビーフン計画とは…?〈ケンミン〉が47都道府県ビーフンとか自販機とかデリバリーとかいろいろ始めてる