こんにちは。韓国出身のフードコーディネーター、金英貨(キム・ヨンハ)です。
今回は、韓国のファストフードのなかでも圧倒的な人気を誇る「韓国チキン」の本当に美味しい作り方を紹介したいと思います。
韓国チキンの人気は韓流ブームに乗って、世界的に広がっていきました。日本にもいろいろな韓国チキンのチェーン店が上陸していますよね。
韓国チキンの特徴は、香ばしくてカリカリとした食感をもたらすちょっと厚めの衣と、適度な歯ごたえを残しつつもフワフワで、ひと噛みごとに肉汁がほとばしるジューシーなお肉。人気の拡大に合わせてさまざまな味や調理法も開発されていったので、現在、多種多様な風味のキチンを楽しめるようになりました。
そこでまずは、もっともスタンダードな韓国チキンのレシピを紹介しつつ、皆さんがおうちで本場の韓国チキンを堪能するためのポイントをまとめてみます。
続いて、バリエーション豊かな韓国チキンのなかでも人気急上昇中のアレンジレシピ「プリンクルチキン」と「パダク」の作り方を紹介させていただきます。
ぜひ最後までご覧ください!
基本になる「韓国フライドチキン」のレシピを覚えよう
【材料(2人前)】
- 鶏肉・・・600g(手羽元10本)
- 卵・・・1個
- 炭酸水・・・100ml
- 塩コショウ・・・適量
- 揚げ油・・・適量
【以下A】
- 牛乳・・・200ml
- みりん・・・大さじ2
- 塩コショウ・・・小さじ1
【以下B】
- 砂糖・・・大さじ1
- 塩コショウ・・小さじ1
- チリパウダー・・・小さじ1/2
- ガーリックパウダー・・・大さじ1
- 醤油・・・小さじ1
【以下C】
- 中力粉・・・1カップ
- コーンスターチ・・・1/2カップ
- ガーリックパウダー・・・大さじ1
- ベーキングパウダー・・・大さじ1
【作り方】
1. ボウルに鶏肉、分量外の塩大さじ1、 小麦粉大さじ2、水50mlを入れてしっかりともみ込み、流水で洗う。
2. ボウルに1.とAを入れて、30分浸す。
3. 2.の汁気を切ってフォークで数カ所穴をあけ、ポリ袋などにBと一緒に入れて10分漬ける。
4. Cを合わせて2等分に分け, 半分には卵1個と炭酸水を加えて揚げ衣を作る。
Cの残り半分は、後で衣パウダーとして使う。
5. 4.に3.を付けてから、半分残した衣パウダーをさらに付ける。
6. フライパンに揚げ油を4cm程度の深さに注いで、160℃に熱する。油が温まったら5.を入れて、ひっくり返しながら6~7分ほど揚げ、一旦取り出す。
7. 油の温度を180℃に上げたら6.を戻し入れ、2度揚げする。
8. 衣がカリッとするまで転がしながら揚げたら、器に盛る。
衣はサクサク、なかはしっとりジューシーなフライドチキンの完成です!
見るからにサクサクの衣は本当にクリスピーで、鶏肉の旨味や香ばしさが口いっぱいに広がります。
新しい味のソース、新しい風味の衣がいろいろ登場しても、このスタンダードな韓国チキンがやはり不動のナンバーワン!
「初めて韓国チキンを食べる」という方は、ぜひこちらのレシピからスタートしてみてください!
韓国チキン作りで大事なポイント
①牛乳に浸す!
鶏肉が柔らかくなり、臭みも抑えられます。
②鶏肉にしっかりと下味をつける!
衣付けの前に肉を漬けておくと、コクのある味に仕上がります。
③衣には炭酸水を入れる!
揚げた際、炭酸水に含まれる二酸化炭素が衣のなかの水分をすばやく抜いてくれるので、サクサク食感がアップします。
④揚げ衣は2種類付ける。衣パウダーを付ける際は軽くまぶすことを意識して、押さえつけないように!
そうすることで、衣の表面にお店のチキンのような、自然で豊かな皮のカールが形成されます。クリスピー感も上がりますよ!
⑤2度揚げする!
低温の油でじっくりと揚げた後、温度を上げた油でもう一度揚げます。衣の水分が十分にとばされ、表面がカリッと仕上がります。
韓国チキン作りの大事なポイントまとめ
- 牛乳に浸す
- 鶏肉にしっかりと下味をつける
- 衣には炭酸水を入れる
- 揚げ衣は2種類付ける
- 2度揚げする
基本レシピを押さえたら、アレンジレシピにも挑戦しましょう!
アレンジレシピ【プリンクルチキン】
【材料(2人前)】
- 揚げたてのフライドチキン・・・適量
【以下A】
- 粉チーズ・・・30g
- シュガーパウダー・・・大さじ2
- ドライパセリ・・・適量
- チェダーチーズシーズニング(あれば)・・・適量
【以下B】
- クリームチーズ・・・30g
- プレーンヨーグルト・・・大さじ1
- マヨネーズ・・・大さじ1
- はちみつ・・・大さじ4
- ハニーマスタード・・・大さじ1/2
【作り方】
- ポリ袋などにAを入れ、混ぜ合わせておく。
- Bをよく混ぜ合わせてソースを作る。
- 揚げたてのチキンを1.に入れて、振り粉をまんべんなく付ける。
- 3.を器に盛り、2を揃える。
プリンクルとは、韓国語で「ふりかける」を意味する「プリダ」という言葉と、英語の「twinkle(きらめき/キラキラした)」を合成した言葉。「魔法の粉をふりかける」といったニュアンスですね。チーズの効いた“魔法の粉”をたっぷりとまぶしたチキンになります。
粉チーズが多めでちょっと刺激的な見た目をしていますが、驚くほど飽きない味で病みつきになるはず。一緒に添えるソースはチーズと相性抜群! 味をまろやかするので、チキンがますます美味しくなりますよ。
韓国のフライドチキン業界に旋風を巻き起こしたプリンクルチキン。チーズ好きな女性やお子さまを虜にする、これまでになかった味わいのチキンですよ。
※Aで砂糖ではなくシュガーパウダーを使用した理由は、砂糖より粒子が細かいため、チーズ粉をまぶしたときにたっぷりとチキンに密着させることができ、甘さがより引き立つからです。
アレンジレシピ【パダク(ねぎチキン)】
【材料(2人前)】
- 揚げたてのフライドチキン・・・適量
- 長ねぎ・・・1本
【以下A】
- 醤油・・・大さじ3
- からし・・・大さじ1
- 酢・・・大さじ3
- 砂糖・・・大さじ3
- 酒・・・大さじ2
- レモン汁・・・大さじ1
- 白ごま・・・適量
【作り方】
- 長ねぎを10cm程度の長さに細切りして、10分ほど氷水にさらす。
- Aをよく混ぜ合わせ、ソースを作る。
- 器に揚げたてチキンを盛り、1.をたっぷりのせて、2.を半量かける。
パダクの「パ」は韓国語で「ねぎ」、「ダク」は「鶏」を指します。
無限にチキンが食べられるくらい美味しく、おかずにも、おつまみにもおすすめのパダク。
カラッと揚げたチキンの上に山盛りネギをのせて、さわやかな味のソースと一緒にいただきます。
長ねぎは氷水にさらすことで辛さが軽減し、さっぱりとした香味になるので食欲をそそります。
ソースは味の決め手になりますので、お好みにより調味料の配分を加減してみてください。もしソースが残ったらチキンにつけたり、ねぎにつけたりして食べても美味しいですよ。
さらにねぎを堪能したい方は、鶏を揚げる際に長ねぎも加えて一緒に揚げると、ねぎの香ばしい風味がいっそう楽しめるのでお試しを。
おまけ:韓国チキンに欠かせない大根の甘酢漬け「チキンム」のレシピ
【材料】
- 大根・・・1/3本
【以下A】
- 水・・・2カップ
- 酢・・・1カップ
- 砂糖・・・1カップ
- 塩・・・小さじ1
【作り方】
- 大根は1cm大の角切りにして、煮沸消毒した瓶に詰める。
- 鍋にAを入れてひと煮立ちさせ、熱いうちに1.に注いで蓋を閉める。
- 常温になるまで冷ましてから、冷蔵庫に入れて一晩寝かせる。
韓国チキンのお供として定番なのが、大根の甘酢漬け「チキンム」です。
韓国ではチキンを食べるときに必ずといっていいほど、当たり前のようにチキンムが添えられます。シャキシャキした歯ごたえと甘酸っぱい風味は、ガッツリ食感の韓国チキンの口直しとして最高です。
チキン以外では餃子にも合いますし、副菜のお漬物として毎日の食卓でも活用できますから、作り置きしておくとたいへん便利ですよ!
韓国では、手軽に空腹を満たしてくれるアイテムとして、おやつや夜食などさまざまな場面でフライドチキンが食されています。
チキンと冷えたビール(メクチュ)を組み合わせた食べ方を指す「チメク」や、チキンとコーラを組み合わせた食べ方を指す「チコル」といった言葉もあるほど、チキンは日常的な存在。日本で鶏の唐揚げが多くの人々に愛されているように、韓国ではフライドチキンが子どもから大人まで大人気なのです。
家で韓国チキンを作る際、揚げ物が好きな方であれば、チキンだけでなくレンコンや青唐辛子、トッポッキなども一緒に揚げて、ボリュームとバリエーションを増やすのもいいと思います。
今回の記事では鶏の手羽元を使用しましたが、骨付きのもも肉、手羽先、ササミなど好みに応じて部位を選択して作ってみてくださいね。
先ほど紹介した大事なポイント5つを踏まえておけば、ついつい手が伸びてしまう病みつきのチキンを誰でも簡単に作ることができます。揚げたてが美味しいのはもちろんですが、冷めても衣はサクサク、お肉はしっとりジューシーに仕上がることでしょう。
カラっと揚げられたチキンは「あっ」という間に食べきってしまうので、ダイエットは明日から頑張ることにしましょうね!(笑)
(編集:漆原 直行 / 企画:河瀬璃菜)
著者プロフィール
金 英貨(キム ヨンハ)
フードコーディネーター. 料理研究家
1977年8月19日生まれ。韓国出身。
食のコンテンツ企画制作会社や食品企業にて、レシピ開発やスタイリング、フードコーディネートを手がけます。書籍、雑誌、動画などのフードコーディネートも担当させていただいています。
韓国料理を得意とし、韓国の家庭料理からおもてなし料理の料理教室の講師も務めています。
Source: ぐるなび みんなのごはん
かりかりジュワッ…! ホントに美味しい「韓国チキン」の作り方を伝授させてほしい