サラリーマンがランチに求めるハンバーグの理想形を見つけました【フミコフミオのサラリーマン御祝膳問答第12回】

f:id:Delete_All:20211227115850j:plain

ランチ1,000円問題を考えたい

突然で大変申し訳ないが今回は真面目な話をしたい。僕は中間管理職だ。上からも下からも、そして家庭や一族郎党からも圧力をかけられている日々を送っている。日本の中間管理職の多くと同じように、職場や家庭で毎日もがきながら居場所を作っている。だが、会社組織の変更で、そういう日々の努力は無に帰してしまうことがある。そういった、会社員生活のどうにもならなさを発散できるのはランチタイムしかない。

僕が営業という仕事を続けてこられたのは、商談や出張で外に出て、いろいろなお店の食事を味わってきたからである。自由を満喫していた独身時代も、不自由を受け入れた結婚後も、ランチタイムを楽しみに生きてきたのは変わらない。変わったのはランチに使えるお金が限られたことくらいだ。

だから、2020年からの新型コロナ感染拡大によって、ときどき訪れていた個人店のいくつかが休業したり、商売をやめたりしたのは、痛恨の極みだった。実際、この連載で紹介してきたお店のなかにもそういう事態に陥ったお店がある。残念でならない。なくなってしまってから「閉店してしまったんだ!もったいない!」「もっと足しげく通えば良かった」「大将にはもう少し粘ってほしかった」と嘆いても遅いのだ。

今、お気に入りのお店や気になっているお店があったら、何はともあれ、足を運んでみてほしい。そして気に入ったら、ときどきでいいから、ランチやディナーで利用してみてほしい。なくなってからの惜しい!は何の意味もない。思い入れをカタチにしてほしい。

思い入れを行動に移してほしい。とはいっても、普通に働いている人間にとって、ランチにかけられるお金と時間は有限である。僕のケースだと、普段、コンビニのおにぎりかアンパンでランチを済ませていて、会社で面白くないことがあったときや商談がうまくいったときなどの「ここぞ」のときに、奮発したランチにするようにしている。奮発といっても、1,000円前後である。厳しい。だから、安くて美味しい個人店は僕にとってなくてはならない、人生の潤滑油のようなものなのである。

ところが1,000円前後のランチというのがもっとも難しい。なぜなら2,000~3,000円の金額を出して比較的高額なランチを食した場合、「2,000円も出費しているのだから美味しいにちがいない」という意識が脳内をかけめぐり、舌が「味はそれほどではない…」とイマイチな評価を下そうとしても、「2,000円もの大金を出して美味しくないはずがない」「自分の味覚がおかしいのだ」という修正がはたらき、まあまあ美味しいという評価に落ち着いてしまうことがままある。だが1,000円のランチの場合、食べる機会も多いため、1,000円という価格に見合うかどうかが冷静に判断されるため、評価が厳しくなるのだ。これを僕はランチ1,000円問題と呼んでいる。

安くて美味しい、丁寧な仕事。理想のお店を守っていきたい

f:id:Delete_All:20211227120103j:plain▲お店の外観。小さいけれどオシャレ。

さて、今回ご紹介するのは、安くて美味しい洋食が食べられる70’s kitchenさん(平塚市)である。平塚での仕事が首尾よく終わったときは利用させていただいている。おすすめなのが安くて美味しいうえに肉感があって肉汁もあじわえるハンバーグである。派手さはないけれども、奇をてらわないオーソドックな日本の洋食のハンバーグが嬉しい。食事も美味しいのだけれど、店主さんと思われるシェフがフライパンで丁寧に調理している姿をうかがえるところがとてもいい。で、頼んだのが70’s ハンバーグセット(税込み980円)である。

f:id:Delete_All:20211227115844j:plain▲ハンバーグ完全体。パーフェクトなビジュアル。

この安心のビジュアルと適度なボリューム感が最高。満点。ハンバーグ、サラダ、スパゲッティで構成された王道ストロングスタイル。美しい。ハンバーグは肉汁たっぷりであるのに、脂よりも肉肉しく、中年の胃袋にも優しい味。仕事中だとナイフとフォークで食べるのがかったるいのだけれど(横着なので)、お箸でどうぞというお店は嬉しい。ザ・日本の洋食といった風情がある。

f:id:Delete_All:20211227120004j:plain▲ふっくらと柔かいタイプのハンバーグ

f:id:Delete_All:20211227115952j:plain▲脂少なめでも肉汁ドバー。

デミグラスソースとふっくらとした柔らかいハンバーグの相性もばっちりである。肉が詰まっているタイプのハンバーグなので、見た目より食べごたえがある。もし足りないようならハンバーグにフライが付くセットもあるのでそちらをどうぞ。僕はちょうどいいボリュームでした。

f:id:Delete_All:20211227120057j:plain

f:id:Delete_All:20211227120201j:plain▲豊富な洋食メニュー。テイクアウトもあり。

他のメニューもたくさんあって、特にアジフライなんか美味しそうであるけれども、このハンバーグがジャストフィットすぎて、まだ食べていない。このお店に来たらこれしか頼まない的な何かがあるハンバーグなのだ。さきほど述べた1,000円前後のランチは評価が厳しくなりがちなランチ1,000円問題も余裕でクリアしている。

f:id:Delete_All:20211227120116j:plain▲オハシで食べられる洋食って大事だと思うのですよ。

こういう安くて美味しく丁寧な仕事を感じられるハンバーグを出してくれる、70’s kitchenさんのような丁寧な仕事をしているお店は守っていきたいものである。

f:id:Delete_All:20211227120154j:plain▲平塚駅前の商店街にあります。

繰り返しになるが、気に入ったお店や気になるお店があったら積極的に足を運ぶようにしてほしい。SNSで「お店がなくなった~残念~」と嘆くよりも、まずは足をはこんで料理を食べてみることが1万倍も大事なのである。ついでに先日発売になりました僕の著作『新・文章術 圧倒的な世界観で多くの人を魅了する 』もあわせてよろしくお願いいたします。

 

紹介したお店

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください

 

著者プロフィール

f:id:g-gourmedia:20140811094752j:plainフミコフミオ

海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の会社員です。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。内容はナッシング、更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?2021年12月16日にKADOKAWAから『神・文章術 圧倒的な世界観で多くの人を魅了する 』という本を発売しました。よろしく!

ブログ「Everything you’ve ever Dreamed」:http://delete-all.hatenablog.com/
ツイッター:https://twitter.com/Delete_All

Source: ぐるなび みんなのごはん
サラリーマンがランチに求めるハンバーグの理想形を見つけました【フミコフミオのサラリーマン御祝膳問答第12回】

タイトルとURLをコピーしました