九州人のソウルアイス「ブラックモンブラン」を新鮮なソフトクリーム仕立てで堪能! 佐賀駅近くの「グリルタケシタ」で冷たいスイーツを味わう

グルメまとめ

「九州人の魂」「佐賀県人の誇り」みたいなアイスバー

「黒い白い山」って、一体なんの冗談だ。

第一印象は正直、それでした。

 

20代のなかばごろ、九州出身の知人と一緒に都内のコンビニでアイスを購入したときのこと。「ブラックモンブランは…やっぱり置いてないか。東京で見たことないし」てなことを知人がクチにしたのです。

 

モンブランの原意は「Mont(山)+Blanc(白)=白い山」ですから、「ブラックモンブラン」という言葉を耳にした瞬間、「はい?」とどこか収まりの悪いムズムズ感をおぼえました。東京出身の自分は、初めて耳にする単語でした。

聞けば「バニラアイスのまわりにパリパリのチョコがコーティングされて、表面にクランチがびっしりとまぶしてあるアイスバー」とのこと。なるほど「クランキーアイスバー」(ロッテ)とか、「チョコバリ」(センタンアイスクリーム)みたいな商品なのかと問えば、「あー、似てるけど……なんか違うんだよなぁ。ブラックモンブランはもっとクランチが細かくて、ジャリジャリしている感じ」と知人。「九州の人間なら、みんな絶対に知っている!」と豪語します。

 

以来、思い出すと九州出身の方々に尋ねたりしていたのですが、

「地元にいたときは、全国区のアイスだと信じて疑わなかった」

「東京で買えないことを知ったとき、ショックだった」

「地元に帰ると、なんとなく食べたくなるモノのひとつ」

「最強のアイスバー。チョコ系アイスのなかで一番美味い」

など、みな一様に思い出を語り、褒めまくるわけです。そのくらい九州人の日常に根付いたアイスということなのでしょう。

そして数年後、福岡に出張で出向いた折に、ホテル近くのコンビニで初めて購入してみました。まあ予想どおりといえば予想どおりの味わいでしたが、たしかに類似商品と比べてクランチのキメが総じて細かい印象。それでいて、ときおり粒の大きなクランチもあったりするから、「ジャリジャリ、ゴリッ、ジャリゴリッ、ジャリジャリ……」とランダムな食感の変化が妙に楽しく、風味も豊かに感じます。九州の子どもたちが愛好するというのもうなずけますし、大人でも「つい食べてしまう」というのも納得です。うん、美味しい。

 

パッケージ裏を眺めながら「竹下製菓……佐賀県の会社がつくっているのか。へぇ~」と感心しつつ、九州の誇るご当地アイスとして、ブラックモンブランの名前は脳裏に刻み込まれました。

 

パフェ的に供されるブラックモンブランに初遭遇

そんな九州人の“ソウルアイス”ともいうべきブラックモンブランを、パフェ仕立てにした商品が存在する――なんとも魅惑的な情報を先ごろ耳にしました。

 

提供しているお店は、佐賀県佐賀市にある「グリルタケシタ」。ブラックモンブランのメーカーである竹下製菓の関連会社・竹下コーポレーションが手がける洋食ダイニングです。

店舗はJR佐賀駅南口から徒歩3分ほど、アパホテル佐賀駅南口の1階にあります。駅近なので、旅行や出張で訪れたときにフラリと立ち寄ることもできそうですね。お、看板に「ブラックモンブラン」の文字を発見。

ほうほう、正式名称は「ブラックモンブラン ソフトクリーム」というのね。それでは、店内に入ってみましょう。

ウッド調の落ち着いた設えがイイ感じです。洋食メニューもたいへん美味しそうなのですが、ここは迷わずブラックモンブラン ソフトクリーム(450円)をオーダー。

ほ~、なかなかソソられるルックスじゃないですか。専用カップに盛られているので、見た感じはパフェやサンデーを思わせます。

表面のクランチは、アイスバーのブラックモンブランにまぶされているものと同じとか。チョコソースもパリパリになっています。

 

それでは、いただきます!

むほっ……これは! プチ豪華なブラックモンブラン!!

 

チョコバーのブラックモンブランと比べると、ソフトクリームはミルク感が強い印象です。ソフトクリーム自体が、まず美味しい。クランチの“ジャリゴリ”感濃厚チョコのパリパリ感はアイスバーと同様ながら、ソフトクリームと組み合わされることで、風味がさらに増しているようです

 

一方で、いい意味でのジャンク感というか、「飾らない日常のお供」「日々の暮らしで味わう、ちょっとしたご褒美アイスバー」としてのブラックモンブランらしさも損なわれていません

 

素晴らしい。これは後を引きます。

 

「できたてアイスの美味しさ」を楽しんでもらうために

即座に完食してしまったところで、フロアマネジャーの長谷川貴洋さんにお話をうかがいました。

「この商品はもともと、高速道路のサービスエリア(NEXCO西日本管内の数店舗)のみで販売した期間限定商品だったんです。おかげさまで、それがたいへん好評だったこともあり、2021年9月からグリルタケシタでも扱うようになりました」

 

そもそも“ソフトクリームを用いたブラックモンブラン”というアイデアはどのようにして生まれたのか。キーワードは「できたての美味しさ」だったそう。

 

「大抵の料理と同じように、アイスクリームもやはり、できたてが一番美味しいんですね。できあがったばかりのアイスには適度な柔らかさがあり、口当たりがなめらか。新鮮だから素材の風味もしっかりと感じられます。市販のブラックモンブランも美味しい状態でお客さまにお届けできるよう工夫されていますが、アイスバーとして流通する以上、どうしても固さが出てしまう。

 

そこで、できたての美味しさを味わっていただくためのブラックモンブランとして考案されたのが『ブラックモンブラン ソフトクリーム』でした。ソフトクリームは、できたてのアイスクリームに食感も風味も近い。その上に、かけるとすぐに固まるタイプのチョコレートソースとクランチを載せて、ブラックモンブランらしい味わいを完成させました」

 

ブラックモンブランとは、ロマンである

ブラックモンブランは、今年で発売から53年を迎える大ロングセラー商品。長きに渡り、佐賀県を中心に九州の人々の舌を楽しませてきました。そんなブラックモンブランの“理想的な味わい”を追い求める姿勢が、ブラックモンブラン ソフトクリームとしてひとつの結実を見せた……そう考えると、実にロマンを感じる一品に思えてくるではありませんか。

 

もとより、ブラックモンブランという商品自体が、ロマン溢れる生い立ちを持っているのをご存じでしょうか。

 

竹下製菓のウェブサイトに掲載されている「ブラックモンブランの歴史」に以下のような記述があります。

 

竹下小太郎前会長がアルプス山脈の最高峰「モンブラン」を目の前に眺めたときの、「この真っ白い山にチョコレートをかけて食べたらさぞ美味しいだろう」との思いをアイスクリームの名称に取り入れたものが「ブラックモンブラン」です。

 

「美しき白い山にチョコをかける」というロマンティックな着想を踏まえると、ブラックモンブランソフトクリームは、形状的にも味的にも発想の原点に近しい商品といえるのかもしれません。

 

フレッシュミルクの風味にあふれたソフトクリームは、まるでモンブランに降り積もったばかりの新雪のように美しく、清新で、口溶けも滑らか。そんなソフトクリームをパリッとしたチョコが包み込み、アクセントとしてクランチが添えられる。味わう者を飽きさせることのないソフトクリーム、チョコ、クランチによる三重奏の盤石さは、揺るぎなくそこに存在し続けるモンブランの気高さにも似て……というのは、さすがに褒めすぎでしょうか。

 

いずれにせよ、“ちょっと贅沢なブラックモンブラン”といった仕立てが非常に魅力的であることは間違いありません。ブラックモンブラン好きはもちろんのこと、ブラックモンブランに縁がなかった人にも、ぜひ一度味わってみてほしいソフトクリームです。

 

忘れちゃいけない、絶品バナナチョコシェイク

もうひとつ、こちらのお店を訪れた際にチェックしてほしいメニューがあります。それは「トラキチ君シェイク」

こちらは、竹下製菓のアイスバー「トラキチ君」をシェイクにした商品です。

 

アイスバーのトラキチ君も、ブラックモンブランに負けず劣らず、九州の方々にとっては馴染み深いアイスとか。完熟バナナアイスと柔らかなガナッシュチョコを組み合わせた、濃厚な味わいが特徴です。今回、この記事を執筆するにあたり、竹下製菓のオンラインショップでアイス詰め合わせセットを購入し、初めて食べてみましたが、こちらもかなり美味しい。個人的には、ブラックモンブランと双璧を成すくらい、気に入ってしまいました。

 

シェイクのほうもアイスバーと同様に、トラの縞模様を思わせるチョコが印象的にあしらわれています。「バナナ+チョコ」という泣く子も黙る最強のカップリングですから、まぁ味わい的にハズれるわけはないのですが、それにしてもこのシェイクの完成度はかなり高いです。人気のアイスバーをモチーフにしたアイデア商品という情報を知らずとも、シェイクとして普通に……いや相当美味しい。参りました。「ブラックモンブラン ソフトクリームとセットで購入されるお客さまも多い」というのも頷けます。

 

ちなみにグリルタケシタでは、ランチメニューを注文すると、なんと竹下製菓のアイスが食べ放題になるサービスも!

料理が来るまでにまずは1本、料理を食べ終わった後に1~2本アイスバーを楽しむ……なんて利用者がざらにいるとか。

 

このアイスケースのなかのアイス、全部食べ放題でございます! 太っ腹ですね。

 

猛者になると、料理が供される前に数本、食事が終わったところで数本を平らげ、10本前後を腹に収めてしまうそう。なお、これまでの最高本数は30代くらいの男性が記録した21本のようです。もはや、アイスを腹いっぱい食べるついでにランチメニューも食べているような感覚ではないでしょうか。ツワモノの胃袋は計り知れません。

 

さまざまな楽しみ方、味わい方で利用できそうなグリルタケシタ、近くを訪れた折に立ち寄ってみると、ちょっといいことがありそうなお店です。ブラックモンブラン ソフトクリームやトラキチ君シェイクをはじめ、テイクアウトできる商品もいろいろありますよ。

 

 

紹介したお店

グリル タケシタ
〒840-0801 佐賀県佐賀市駅前中央1-164
3,000円(平均)1,200円(ランチ平均)

〈営業時間〉
朝食 6:30~9:30(ラストオーダー9:00)
ランチ 11:30~15:00(ラストオーダー14:00)
ディナー 17:00~21:00(ラストオーダー20:30)
年中無休

 

ランチ予約の詳細はこちら

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください

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著者 漆原直行

フリーランスの編集者/ライター。1972年東京都生まれ。大学在学中、『週刊SPA!』でライターとして活動開始。20代~30代前半にかけて、街ネタ雑誌などで飲食店取材に明け暮れ、一気に16kgほど太る。現在はビジネス系媒体、PR案件を中心にして企画・取材・執筆に従事。ビジネス書、実用書の構成も手がける。フランス料理・寿司・焼肉・ラーメン・スイーツを溺愛するが、近ごろは糖尿病を気にして少しだけ節制するようになった。

Source: ぐるなび みんなのごはん
九州人のソウルアイス「ブラックモンブラン」を新鮮なソフトクリーム仕立てで堪能! 佐賀駅近くの「グリルタケシタ」で冷たいスイーツを味わう

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