いくら食べても飽きない「麻薬キンパ」とは…? 韓国風海苔巻き「キンパ」は本当においしい

こんにちは。韓国出身の料理研究家、金英貨(キムヨンハ)です。

 

今回は、最近日本でもよく見かけるようになった韓国風海苔巻き「キンパ」を紹介します。韓国では老若男女問わず愛されるソウルフードです。

 

今でも鮮明に覚えているのが、幼少期の頃のキンパの思い出です。

運動会の日の朝に家全体に漂うごま油の香ばしい匂いで目覚め、眠い目をこすりながら食べたお弁当の残りのキンパの味。これは本当に格別の味わいでした。

そして重箱いっぱいに詰まったキンパを食べて力がみなぎり、運動会のクラスの代表として走ったことを思い出します。

運動会やイベント、ピクニックまたは軽食と聞くと、韓国の人が一番最初に思い出すメニューはキンパです。

 

近年は需要が急増。キンパの種類も多様になりキンパ専門店もたくさんできました。地域ごとに人気のキンパ店があるほど大人気です。

 

キンパの作り方や見た目は日本の恵方巻や巻き寿司と似ていますが、違うのはごはんの味。日本では酢飯を使うのですが、キンパのごはんは塩とこま油で味付けをします。

中に入る具材に応じて、名前がつきますが基本の野菜キンパ、ブルゴギキンパ、ツナキンパ、チーズキンパ、どんかつキンパ、じゃこ炒めキンパ等、数十種類もあります。

いろいろな種類があるキンパですが、今回は私の最愛キンパTOP3のレシピをご紹介したいと思います。

 

基本のキンパ

材料(2本分)

  • 焼き海苔……2枚
  • 人参……1/2本
  • きゅうり……縦1/2本
  • たくあん……30g
  • かにかまぼこ……3本
  • 魚肉ソーセージ……1本
  • 卵……3個
  • ごま油……適量
  • 白ゴマ……適量

【以下A】

  • ごはん……300g
  • 塩……小さじ1/2
  • ごま油……大さじ1/2

作り方

1. 皮をむいた人参は千切りにする。サラダ油(分量外)をひいたフライパンに入れ、塩(分量外)少々を入れて軽く炒める。

2. きゅうりは縦2等分に切り、真ん中の種の部分を取り除く。たくあんは千切りする。

3. かにかまぼこは縦1/2に切る。魚肉ソーセージは縦1/4に切ってからラップをふんわりかけてレンジ(600W)で約30秒加熱する。

4. 卵焼きを作ったら1.5cmの棒状に切る。

5. Aを混ぜ合わせる。

6. 海苔の近くに1.2.3.4.5. を用意しておく。

7. 海苔に5.のごはんを奥側の2cmほど残して薄く平らに並べ、中心に1.2.3.4.をのせてギュッと巻く。

8. 仕上げに7.の表面にこま油を軽く塗り、食べやすい大きさで切ったら器にのせて白ゴマを振りかける。

 

完成です!

数十種類あるキンパの中で私の一番のお気に入りのキンパは、絶対的にこの「基本のキンパ」です。

まず、いくら食べても飽きないのと、ほとんどの材料が普段冷蔵庫にあるものだからいつでも簡単で手軽に作って食べられるからです。

キンパさえあれば他におかずも要らないですし、野菜を多めに取れる栄養バランスも良いのも嬉しいですね。

 

キンパに入れる野菜はそれぞれ味も違いますが、合わさることで一体感を生み出します。

キュウリが嫌いな方は代わりにほうれん草やサンチュなどを入れてもいいですし、塩と砂糖で軽く味付けしてから使用してもOK。

人参の食感も楽しみたいので炒めすぎには注意です。

 

またごはんや具材を入れ過ぎると、巻きにくい場合もありますが、巻く直前に海苔部分にごはん粒や水、またはごま油をつけると糊(のり)の役割をしてくれてくっつきやすいく巻きやすいですよ。

 

完璧なキンパ作りのため大事なポイント7つ

1. 食感を楽しむためごはんは少し硬めに炊き、海苔が破れないように粗熱を取る!

2. キンパの特徴でもある香ばしい香りを出すために、ごま油は必須!

3. キレイな形のキンパを作るには、ごはんの厚みを一定に広げること。

4. キンパの端っこまで美味しく食べるため、両端まで具材を入れる。魚肉ソーセージは長さが短いので、残った分でつなげて入れる。

5. 巻いた後は、形を整えるため最後にもう一度ギュッと握る。

6. キンパを切る時には、包丁にごま油を軽くつけて切るとごはんがくっつかなく断面をきれいに切れる。

7. 巻くのが難しければ巻きすを使用し、もし持っていない場合はラップを使用。

美味しい基本のキンパの作り方をご紹介したところで、アレンジキンパも作りましょう!

1品目はこちら。

甘辛豚肉炒めキンパ

材料(2本分)

  • 焼き海苔……2枚
  • 豚こま切れ肉……500g
  • サンチュ(サラダ菜も可能)……8枚
  • 青唐辛子……4本
  • たくあん……30g
  • 人参……1/2本
  • こま油……適量
  • 白ゴマ……適量
  • マヨネーズ……適量

【以下A】

  • ごはん……300g
  • 塩……小さじ1/2
  • ごま油……大さじ1

【以下B】

  • コチュジャン……大さじ2
  • 唐辛子粉……小さじ1
  • 醤油……小さじ1
  • 砂糖……大さじ1
  • おろしにんにく……大さじ1
  • ごま油……大さじ1
  • コショウ……小さじ1

作り方

1. ボウルにBを入れて混ぜ合わせ、豚肉を加えてもみ込む。10分おいたらフライパンにごま油をひき炒める。

2. 青唐辛子はヘタを取り、 たくあんは千切り、人参は千切りにしてサラダ油(分量外)をひいたフライパンに入れ、塩(分量外)少々を入れて軽く炒める。

3. Aを混ぜ合わせる。

4. 海苔に3.のごはんを奥側の2cmほど残して薄く平らに並べ、中心にサンチュ4枚をしきその上に1.2.をのせてギュッと巻く。

5. 仕上げに4.にごま油を軽く塗り、白ゴマを振りかけたら食べやすい大きさに切って器に盛る。

前日に残った甘辛豚肉炒めを活用しようと思って作ったのがこのレシピが生まれたきっかけです。

しかし食べた瞬間その美味しさに驚き、今となってはこのキンパを作るために甘辛豚肉炒めを作るほどです。

サンチュをたくさん重ねて入れるので、手で包んでないのにサム(葉野菜等で豚肉その他の具材を包んだ韓国料理)を食べているような味を楽しめます。ボリュームとクオリティが両立しているので、肉好きの方に本当におすすめしたい一品です。

甘辛豚肉炒めは汁気があると、海苔が破れる恐れがあります。汁気をしっかり切ってくださいね。マヨネーズをつけて食べることで辛さがまろやかになりますが、それでも辛いのが苦手な方は青唐辛子を抜いてください。お好みで辛さも調整して頂ければ良いと思います。

甘辛豚肉炒めはこちらの記事にも載っています。

 

みんな大好き!麻薬キンパ

「麻薬キンパ」は、韓国のソウルにある「広蔵市場(クァンジャンシジャン)」で大人気のメニューです! 

材料(2人前)

  • 焼き海苔……3枚
  • たくあん……30g
  • 人参……1/2個
  • ほうれん草……1/2束
  • ごま油……適量
  • 白ゴマ……適量

【以下A】

  • ごはん……300g
  • 塩……小さじ1/2
  • ごま油……大さじ1
  • 白ゴマ……適量

【以下B】

  • ごま油……小さじ1/3
  • 塩・白ゴマ……適量

【つけダレ】

  • 醤油・酢・からし・はちみつ・水……各大さじ1

作り方

1. たくあんは千切り、人参は千切りにしてサラダ油(分量外)をひいたフライパンに入れ、塩(分量外)少々を入れて軽く炒める。

2. ほうれん草はラップで包みレンジ(600W)で約2分加熱し、サッと水洗いをする。水気をよくしぼりBを入れて和える。

3. Aを混ぜ合わせる。

4. 海苔を4等分に切り、その1枚に3.を平らに並べ、中心に1.2.をのせてギュッと巻く。

5. 仕上げに4.にごま油を塗り、白ゴマをたっぷりと振りかける。

6. 器に5.を盛り付けて、つけダレを添える。

中に入れる具材はほうれんそう・人参・たくあんの3つというシンプルさなのに、とても美味しく中毒性が強いので、「麻薬キンパ」と呼ばれています。また一口サイズで食べられるので子供のお弁当にもぴったりです。一緒に添えるインパクトあるソースとの相性は非常に良く、こちらのソースは大人の方におすすめです。

最小限の材料で最高に美味しいキンパが作れますので是非一度試してみてください。

食べられる麻薬を安心して経験してみましょう!

私はキンパキラーなので、涼しくなる季節にはキンパを一度に沢山作り置きし、1~2日かけて食べています。

万が一キンパが残ったとしても、冷蔵庫に入れて次の日に溶き卵をつけて、こま油に熱したフライパンで、両面焦げない程度に焼いてから食べると、新たなキンパの味が味わえますよ!

具材が残ったら、ビビンパにしたり、具材を全てみじん切りしてチャーハンや卵焼きにすることも可能です。

ダイエットで気になる方はごはんの量を減らして野菜をたくさん入れたり、白米ではない雑穀を使うのもおすすめ。

 

キンパは材料準備や工程も少し面倒なので作るのはハードルが高いなと思う方もいるかもしれないですが、正直な話、店で購入して食べるキンパは、手作りをしたキンパの味に追いつくことが絶対に出来ません

家族のために、または愛する人のために、愛と心を込めて世界で一番美味しい自分だけのキンパを作ってみるのはいかがでしょうか?

 

(企画:河瀬璃菜)

著者 金 英貨(キム ヨンハ)
フードコーディネーター. 料理研究家

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1977年8月19日生まれ。韓国出身。
食のコンテンツ企画制作会社や食品企業にて、レシピ開発やスタイリング、フードコーディネートを手がけます。書籍、雑誌、動画などのフードコーディネートも担当させていただいています。
韓国料理を得意とし、韓国の家庭料理からおもてなし料理の料理教室の講師も務めています。

https://www.instagram.com/goodnewscooking/

Source: ぐるなび みんなのごはん
いくら食べても飽きない「麻薬キンパ」とは…? 韓国風海苔巻き「キンパ」は本当においしい

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