自粛生活も長くなってきましたね。
振り返ってみると去年の6月にこんな記事を書いていました。
外食ができないからホットサンドメーカーで遊んでみた記事です。
意外な商品がおいしいホットサンドに変身したりして、なかなか評判が良かったようなので、1年越しに2匹目のドジョウを狙いにやってきました。
今回は燻製です。
といっても本格的な燻製器を使うのは面倒ですので、こんな簡単・おしゃれな燻製グッズを買ってみました。
あのヒットメーカー・ドウシシャのミニ燻製器「もくもくクイックスモーカー」です。
直径12cmという手頃なサイズ感は、自宅でお酒を飲みながら好みのおつまみを燻すのにぴったりなやつです。
さて、こいつで何を燻製にするか?ですが、世の中に無限にある食材から選ぶとキリがないので、近所のコンビニへ行ってきました。
そしていつも食べてる好きなやつを買ってきました。
基準は「僕がよく買ってるやつ」です。
みなさんも自分のよく買ってるやつを買ってくるといいと思います。「テーブル燻製」はそれくらいのゆるさで選ぶのがいいんです。
この燻製器について簡単に説明しましょう。固形燃料用の小皿、その小皿を置く台座、スモークチップを入れる中敷き、食材を置く皿、透明な蓋、スモークチップ、火を消す蓋など必要なものはだいたい揃っています。
自分で用意するのは固形燃料とチャッカマン(あれば便利、ライターやマッチでも可)くらいです。どちらも100均に売っています。
こんな順番でセッティングします。
イメトレしてみる。
これをここに入れる。
で、食材を入れて蓋をする、と。
簡単ですね。でも火を使うので気をつけましょう。ちなみに後でわかりますが、この時点で僕は大きなミスを犯しています。後でわかります。
ではスタート。
- 1. セブン-イレブン「たこぶつ」(397円)
- 2. セブン-イレブン「炙り辛子明太子」(300円)
- 3. セブン-イレブン「枝豆」(170円)
- 4. ファミリーマート「なめらか6Pチーズ」(213円)
- 5. ファミリーマート「ファミチキ」(180円)
- 6. ローソン「皮むきりんご」(185円)
- 7. ローソン「バスチー」(213円)
- というわけで、「燻製にするとおいしいコンビニ食材ランキング」を発表。
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1. セブン-イレブン「たこぶつ」(397円)
まずは絶対においしそうなたこぶつから。最初は無難なところからいきたい。
そのまま食べてもビールに絶対合うたこぶつを、ひと手間かけて燻製にしたら、それはもうやばいくらいビールに合うはず。
付属のわさびも燻製にしちゃいましょう。
旅館の夕食でしか触ったことのない固形燃料に火をつけて、
蓋をしたらしばらく待ちます。
ちなみに燻す時間は勘です。
一応説明書にいろんな食材の燻し時間が書いてあったので参考にするといいかもしれません。
「ベーコンが8分なら、たこも8分くらいでいいだろう」くらいの気分で待っていると、じゅうじゅう…という音がしてきました。蒸気でガラスの蓋がくもっています。
たこぶつから水分が出ているのでしょうか。
しばらくしたら火を消します。この小さな蓋をかぶせると消える。
おおお~、いい! すごくいい香りがする!
ふわっと漂う香ばしい燻製の香り、そしてたこから出てくる潮の香り……これは絶対においしいでしょう。
一緒に燻したわさびにつけて食べると、
はいうまい。これはうまい。
たこが本来持っているわずかな塩気が、燻すことによって増幅され、めちゃくちゃ味が濃くなっている。でもしょっぱいわけじゃない。素材そのものの味わいが増している感じがするんです。
これはもう醤油すらいらない。燻製にしたわさびをつけて爽やかさをちょい足しするくらいでいい。
そして身も引き締まって、むぎゅっとした弾力がさらに加わった感じがします。これは成功と言っていいでしょう。幸先がいい。
お味★★★★☆
意外性★★★☆☆
酒に合う★★★★★
2. セブン-イレブン「炙り辛子明太子」(300円)
これも本命。セブン-イレブンで飲むときは必ずメンバーに入るやつです。辛子明太子だけでもつまみとして強いのに、これはさらに炙ってあって焼き目のところのちょっとした歯ごたえがたまらないのです。
どうせ美味いのでさっそく燻製にしちゃいましょう。
時間はざっくりと10分くらいでしょうか。
できました。燻製の香ばしい匂いがムワッとしてきますが、見た目はほとんど変わっていません。
食べてみると…
あれ…? おいしいけど、いつも通りのおいしさだ。
なるほど。
食べてみるとちょっとわかってきました。
この辛子明太子はすでに炙ってあるので「香ばしさ」は十分に引き出されていたわけですね。それをさらに燻してももう引き出されるべきポテンシャルが残っていなかったと。
すでにギリギリまでその能力を発揮していた炙り辛子明太子は、最長老様のところに行ったクリリンのようにはいかなかったのです。
燻製は奥深い…。
お味★★★☆☆
意外性★★☆☆☆
酒に合う★★★★☆
3. セブン-イレブン「枝豆」(170円)
あの三角パックの枝豆です。袋を開けた瞬間においしいあの枝豆。
はい。燻製が終わりました。手順はどれも変わらないので、だんだん記事のペースを上げていきます。そして食べてみると、
おお!これはいい。
こじゃれたお店で出てくるおしゃれ枝豆だ。
熱々なので箸でいただく。
たまにちょっとひと手間かけた枝豆のソテーみたいなの出てくるお店あるじゃないですか。お通しとかで。
あんな感じのパワーアップした枝豆が楽しめます。いぶされたことで香りが強くなり、甘みと塩気が増した。
冷たい枝豆が味気なく感じるときは、燻製にしてみるのはありですね。
お味★★★☆☆
意外性★★★☆☆
酒に合う★★★★★
4. ファミリーマート「なめらか6Pチーズ」(213円)
ここからはファミマ代表です。「お母さん食堂」シリーズからカマンベール入り6Pチーズです。
これも定番ですね。ハイボールでもワインでも何でも合わせられる万能おつまみです。
チーズは燻製にしたら確実においしいやつなので、この実験でもやっぱり外せません。
燻す時間は5分。やりすぎるとでろでろに溶けちゃうので注意です。
いい感じに仕上がりました。そのまま食べてみると…
うん。これは期待通りの味です。
チーズは間違いない。メンバーに入れておくと安心感があります。
とろっとして濃厚。カマンベールの旨味が引き出されています。これは絶対に燻製したほうがいいですね。
ワインとかウィスキーにぴったり。ただのコンビニチーズがごちそうになる感じ。なんか雰囲気のいいバーみたいな味になります。
お味★★★★★
意外性★★☆☆☆
酒に合う★★★★★
5. ファミリーマート「ファミチキ」(180円)
もう紹介する前に燻製器に入れちゃってました。ファミマといえばこれです。
フライドチキンを燻製にするってどうなんでしょうね。あの脂分がどうなるか…。
8分燻してみました。見た目にはほとんど変化がありません。
トンカツみたいに切って食べてみると、
こ、これは…!いつものファミチキだ!
あのファミチキです。
ファミチキはどういじってもファミチキ以上にはならない。なぜならファミチキとしてすでに完成されているから。
ファミチキは外でそのままがぶりと食べよう!
お味★★★★☆
意外性★★☆☆☆
酒に合う★★★☆☆
6. ローソン「皮むきりんご」(185円)
ここからローソン代表の登場です。そろそろさっぱりしたものも食べたくなってきたのでフルーツです。
皮むきりんごを燻していきます。期待感としては焼きりんごとかりんごのコンポートみたいなものが出来上がるのではとワクワクして待ちます。
やりすぎるとでろんでろんになりそうなので、燻す時間はチーズと同じく5分くらい。
はい、できました。水分がめっちゃ出ています。
食べてみると、
うまい!!!!!!
なんだか甘みが増して、デザートっぽさが増しています。
外側はとろとろなのに、一口食べるとシャキシャキ感が残っていて、みずみずしい。
そしてほんのり燻製の香りがしていて、新感覚のデザートみたい…。甘みも濃縮された感じになっていて、これは非常にあり。ホイップクリームとかはちみつとかをかけて食べるのもいいかもしれません。
お味★★★★☆
意外性★★★★☆
コーヒーに合う★★★★☆
7. ローソン「バスチー」(213円)
最後はローソンの看板デザート「バスチー」。実はこれ、ホットサンドにしたらめちゃくちゃおいしかった優勝候補です。
はい、完成! 燻製シーンはもうカットでいいでしょう。チーズの仲間なので燻す時間は5分。見た目にはほとんど変わりませんが、香りは確実にパワーアップしています。
デザートっぽいお皿に移して食べてみる。気になるお味は……
あ、めっちゃうまい。
やっぱりね、チーズなので燻製にすると最高。ただでさえおいしいんだけど、燻したことでさらにうまくなってます。
とろけるのにどっしりした食感、すごく濃厚。酸味と甘味と燻製臭さのバランスが素晴らしい。
お皿に盛りつけて出すと立派な新感覚チーズケーキとして食べられます。バスチーは何をやっても期待にこたえてくれるな~。
お味★★★★☆
意外性★★★★☆
コーヒーに合う★★★★★
というわけで、「燻製にするとおいしいコンビニ食材ランキング」を発表。
1位 たこぶつ
2位 6Pチーズ
3位 バスチー
次点:皮むきりんご、枝豆
となりました。
食感と味がいずれも増幅されたたこぶつが堂々の1位。6Pチーズとバスチーのチーズコンビはもちろん味は完璧でしたが、燻したことによる変化の度合いとしてはやや及ばなかったです。
燻製の道は奥深いものです。炙り辛子明太子、ファミチキなどすでにおいしいものがそのまま勝つ世界ではありません。今回はより加工されていない素材の強みを生かしたコンビニ商品が強かったとも言えます。
合計7商品を燻してみましたが、コンビニの棚は常に新商品が生まれては消えていく厳しい戦いの最前線。みなさんも気になる商品があったらまずは燻してみることです。
それではよい燻製を。
そうそう言い忘れましたが、燻製器はかなりの高温になります。必ず下に「鍋敷き」などを敷きましょう。
さもないと、テーブルにこんなにくっきりと跡がついてしまいますよ…。
著者プロフィール
narumi(@narumi)
普段はBuzzFeedのエディター。ポッドキャスト配信が趣味。noteでは手頃で美味しいお店について書くことが多い。実家は所沢、西武線沿線で育った西武ファン。
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Twitter:@narumi
Source: ぐるなび みんなのごはん
コンビニで売ってるものを片っ端から燻製にしてみた