こんにちは。韓国出身の料理研究家、金英貨(キム・ヨンハ)です。
コリコリとした食感が特徴の韓国式塩辛「チャンジャ」。 辛くて、コクがあって、とても美味しいですよね。
一般的には、タラの内臓を唐辛子やニンニク入りのヤンニョム(韓国料理の合わせ調味料)で漬ける、魚介キムチのようなものを指しますが、本格的に作ろうとすると自宅では少々面倒です。
そこで今回は、おうちで手軽に作っていただけるように刺身用の魚介を使い、熟成ナシでも味わえるチャンジャ風のレシピを紹介したいと思います。
先にヤンニョムを作っておけば、あとは具材を混ぜるだけ。料理の初心者でも美味しいチャンジャが楽しめます。入れる具材はお好きなものでOKですよ。
もちろんそのまま食べても美味しいのですが、さまざまな料理にアレンジすることもできます。後半で、おすすめのアレンジレシピも紹介しますね!
【もくじ】
こんなに簡単! チャンジャ用のヤンニョム
まずはチャンジャのベースになる、絶品ヤンニョムから作ってみましょう!
チャンジャのヤンニョムの材料と作り方
【材料】
- 唐辛子粉(細挽き)・・・大さじ6
- コチュジャン・・・大さじ2
- イワシエキス(なければナンプラー)・・・大さじ2
- 砂糖・・・大さじ3
- みりん・・・大さじ1
- 酒・・・大さじ1
- はちみつ・・・大さじ1
- おろしにんにく・・・大さじ1
- おろし生姜・・・小さじ1
- ごま油・・・大さじ1
- 炒りごま・・・適量
【作り方】
- ボウルにすべての材料を入れて、よく混ぜ合わせればできあがり。
作り方といっても、このように材料を混ぜ合わせるだけ。本当に簡単なんです! にもかかわらず、どんな具材にもよく合う絶品ヤンニョムが完成します。
こちらに具材を混ぜ合わせてチャンジャを作っていくのですが、このヤンニョム、チャンジャ以外にもさまざまな料理の調味料としても活用できるんです!
肉や野菜の炒め物、和え物、コッチョリ(浅漬けキムチ)などのほか、ピリ辛鍋のだし代わりに溶いて使っても美味しいので、ぜひ試してみてください。
ヤンニョム作りのコツ
・細挽き唐辛子を使う
⇒細挽き唐辛子粉を用いる理由は、ヤンニョムを具材に早く染み込ませ、鮮やかな赤色を出すためです。ただ、ご自宅にない場合には粗挽き唐辛子粉でも構いません。
・ごま油はあとがけで!
⇒ごま油を最初から多めに入れると、香りはよいのですが、イワシエキスのコクが出にくくなります。前述の分量どおりにまずは作っておき、チャンジャを食べる直前にごま油を小さじ1ほど足すのがオススメです。
・冷凍保存も可能
⇒すぐ使う分だけ冷蔵庫に入れておき、残りは冷凍保存して、必要なときに自然解凍して使用するのがおすすめです。
手作りのチャンジャは市販品よりも早く傷む可能性があるので、冷蔵保存する場合は、なるべく早めに食べきりましょう。
・チャンジャは作って30分寝かせるとさらに美味しい
⇒手作りしたチャンジャはすぐ召し上がっても美味しいのですが、ヤンニョムを混ぜ合わせてから冷蔵庫で30分程度休ませると、ヤンニョムが具材全体によく回り、味が染み込んでさらに美味しくなります。
手作りヤンニョムで作るチャンジャとアレンジレシピ
それでは、先ほどのヤンニョムと魚介を使ったチャンジャ風のレシピと、そのアレンジレシピを紹介したいと思います。
①タコのチャンジャ
【材料】
- 刺身用生タコ(下処理済み)・・・200g
- にんにく・・・1片
- 青唐辛子・・・1本
- チャンジャのヤンニョム・・・大さじ2
【作り方】
- 生タコは小さく切り、にんにくはスライス。青唐辛子は5mm幅に切る。
- ボウルに1.とヤンニョムを入れ、よく和える。
タコのプリプリな食感とピリ辛ヤンニョムが奏でるハーモニー! 一緒に入れた青唐辛子とにんにくがアクセントになり、たまらない味です。
【アレンジレシピ】タコチャンジャ丼
【材料】
- タコチャンジャ・・・適量
- ご飯・・・1膳
- 温泉卵・・・1個
- 刻み海苔・・・適量
- ごま油・・・適量
【作り方】
- 丼にご飯を盛り、タコチャンジャ、温泉卵、刻み海苔をのせて、仕上げにごま油をかける。
ご飯にのせて食べると、正直な話、他におかずはいりません!
タコの旨味とヤンニョムの甘辛い風味がご飯によくマッチします。温泉卵を合わせるとマイルドな味わいになりますよ。
タコのチャンジャは、手巻き寿司の具やビビンバのトッピングにも最高です。お好みでちょびっとわさびを加えるのも◎
②ホタテと玉ねぎのチャンジャ
【材料】
- 刺身用ホタテ・・・150g
- 玉ねぎ・・・1/4個
- 塩・・・適量
- にんにく・・・1片
- チャンジャのヤンニョム・・・大さじ2
【作り方】
- 玉ねぎとにんにくをスライス。玉ねぎは塩もみして、水気を切っておく。
- ボウルに1.とホタテ、チャンジャのヤンニョムを入れて、よく和える。
旨味と甘味がギュッと詰まったホタテにピリ辛のヤンニョムが加わり、奥深い味わいが楽しめます。大きなホタテであれば、半分に切ってもOKです。
【アレンジレシピ】ホタテチャンジャの焼きそば
【材料】
- 焼きそば麺(蒸し)・・・1袋
- キャベツ・・・1枚
- ホタテのチャンジャ・・・60g
- めんつゆ・・・小さじ2
- 鶏がらスープの素・・・小さじ1
- 水・・・大さじ1
- ごま油・・・適量
- 小口ねぎ・・・適量
- 炒りごま・・・適量
【作り方】
- 焼きそば麺は電子レンジ(600W)で1分加熱して、軽くほぐしておく。
- 中火で熱したフライパンにごま油をひき、キャベツを炒め、1.と水を入れてよくほぐす。
- 2.にホタテのチャンジャ、めんつゆ、鶏がらスープの素を入れ、炒め合わせたら、器に盛る。
- 仕上げに小口ねぎと炒りごまを上からかける。
甘辛なホタテを使った、ボリューム満点の海鮮焼きそば!
ヤンニョムが染み込んだホタテの優しい甘みと辛さが口のなかに広がります。
ホタテチャンジャはサンチュやレタスに包んで食べても美味しいですし、ホタテをちぎってお茶漬けにしても美味しく召し上がることができますよ。
③甘エビと長芋のチャンジャ
【材料】
- 刺身用甘エビ・・・30尾
- 山芋・・・100g
- 小口ねぎ・・・適量
- 炒りごま・・・適量
- チャンジャのヤンニョム・・・大さじ2
【作り方】
- 甘エビは頭としっぽを取り、殻をむく。山芋は2cmに角切りをする。
- ボウルに1.と炒りごま、チャンジャのヤンニョを入れて、よく和える。
- 器にもり、小口ねぎを散らす。
旨辛くて風味豊かな甘エビのチャンジャ! 辛さよりも甘さがまず口のなかに広がります。お酒が大好きな方には嬉しい一品です。サクサク感のあとにやってくる、とろ~りとした食感が心地よい山芋にも注目です。
【アレンジレシピ】甘エビチャンジャのトースト
【材料】
- 甘エビのチャンジャ・・・大さじ2
- 食パン(6枚切り)・・・1枚
- マヨネーズ・・・大さじ2
- シュレッドチーズ・・・適量
- パセリ・・・適量
【作り方】
- 甘エビのチャンジャはハサミでカットし、マヨネーズとあえる。
- 食パンに1.を塗り、シュレットチーズ をのせたら、220℃のトースターで焼き色がつくまで加熱する。
- 器に盛って、パセリを散らす。
ピリ辛の甘エビチャンジャにマヨネーズを加えることで、味わいがマイルドになります。
お酒のおつまみとしてだけでなく、朝ごはんやコバラがすいたときの軽食にもおすすめ。
山芋のサクサク感にもハマってしまうこと請け合いです。
④イカとにんじんのチャンジャ
【材料】
- イカそうめん・・・100g
- にんじん・・・10g
- にんにく・・・2片
- 小口ねぎ・・・適量
- チャンジャのヤンニョム・・・大さじ1
【作り方】
- にんじんは千切り、にんにくは1/2にカットする。
- ボウルに1.とイカ、チャンジャのヤンニョムを入れて、よく和える。
- 器に盛り、小口ねぎを散らす。
イカのほどよい歯ごたえと旨み、唐辛子の辛みのバランスが抜群です!
にんにくもゴロゴロと入っていますので、にんにく好きな方にもぴったりですよ。
【アレンジレシピ】イカチャンジャのじゃがバター
【材料】
- イカのチャンジャ・・・大さじ2
- じゃがいも・・・1個
- バター・・・20g
【作り方】
- じゃがいもはよく洗って皮つきのままラップで包み、電子レンジで約3分加熱。裏返して、さらに約3分加熱する。
- 1.に十字に切れ目を入れて、少し押しつぶして切れ目を開き、そこに挟み込むようにしてバターとイカチャンジャをのせる。
ホクホクのじゃがいもにとろけるバターだけでも美味しいのに、さらにイカチャンジャまで加えたら、もう完璧な美味しさです。イカチャンジャの量はお好みでどうぞ。おつまみに最高なひと品です。
あと一品ほしい! そんなときはチャンジャにお任せ
残ったお刺身や冷蔵庫のなかにある野菜を活用して、手軽に楽しめる絶品チャンジャのレシピ、いかがでしたか?
具材の組み合わせが自由なチャンジャは、「もう一品ほしいかも」という場面でとても頼れる存在です。ヤンニョムさえ準備しておけば簡単に作ることができますから、食卓の定番メニューになるかもしれませんよ。
魚介のチャンジャはそれだけで食べても美味しいものですが、ちょっとした工夫やアレンジをすることで、多彩なオリジナルチャンジャを生み出すことができます。
ご飯のお供やお酒のおつまみとして、ぜひ作ってみてくださいね。
(企画:河瀬璃菜 / 編集:漆原直行)
著者プロフィール
金 英貨(キム ヨンハ)
フードコーディネーター. 料理研究家
1977年8月19日生まれ。韓国出身。
食のコンテンツ企画制作会社や食品企業にて、レシピ開発やスタイリング、フードコーディネートを手がけます。書籍、雑誌、動画などのフードコーディネートも担当させていただいています。
韓国料理を得意とし、韓国の家庭料理からおもてなし料理の料理教室の講師も務めています。
Source: ぐるなび みんなのごはん
お刺身の残りや冷蔵庫の野菜で作る、お手軽「自家製チャンジャ」がごはんにもおつまみにも最高でした