こんにちは。ライターの井口エリ（ちぷたそ）です。
居酒屋や酒場の雰囲気や提供する料理は好きだけど、肝心のアルコールがあまり得意ではない……なんて人も多いのではないでしょうか。
そんな方々に朗報です。
酒場やバーなどの酒類を提供する店で、クリームソーダを提供するのが密かに流行しているらしい…！
シュワッとした甘さの爽やかなドリンクの上に、アイスやさくらんぼがのった見た目にも美味しいクリームソーダ。
なるほど。炭酸やアイスを用意しているであろう酒場やバーとクリームソーダの相性はバッチリ良さそう！
もともとは酒類の提供が制限されていた間に誕生した流れだそうですが、これは是非文化として定着してほしい……！ お酒がダメな人とも酒場やバーでクリームソーダで乾杯できたら素敵ですし、クリームソーダでシメをしたい！！！
そんなクリームソーダがもっと気軽に。
なんと、お酒が飲める喫茶店チェーンで知られる「PRONTO（プロント）」が超絶進化して「キッサカバ」になっていました。
「キッサカバ」とは、「喫茶」と「酒場」を合わせた造語。
昼間のカフェタイムは今までのスタイルを踏襲したプロントです。
うん。私の知っているプロントのイメージはこれ。あんまりクリームソーダを提供していそうなイメージはなかったんですよね。
これが夜の酒場タイム（17時半～）になると……。
バサァ。スタッフさんがテキパキと店内装飾を変えていきます。店先には大きなのれんが掛けられ、ネオンが輝くちょっと怪しげな雰囲気に。
これがプロント……。私の知っているプロントと全然違う……。
こちらで頂けるメニューも酒場タイムでは様変わり。
タコサンウインナーやナポリタン（赤・白）、揚げ玉子サンドなど酒場・喫茶店両方の雰囲気を感じさせるようなメニューが頂けます。
あのプロントで、クリームソーダで乾杯！
こちらではクリームソーダが3色展開で用意されています。
スタンダードな緑のメロンソーダ、かわいい赤のイチゴソーダ、ちょっと大人な青のブルーハワイ。……な、なんてかわいいの……。
しかもクリームソーダにはアルコールも入れることができます。
このかわいらしいクリームソーダ、さくらんぼの有無でノンアルコールかお酒なのかがわかるようになっています。さくらんぼがある方がノンアル、無い方がお酒です。
お酒入りはリキュールの影響で少し甘さが控えめ。
クリームソーダで乾杯が現実に。お酒としても飲んでもいいし、シメにしてもいい。乾杯できるクリームソーダ。夢が広がります……。
クリームソーダに合わせたい、おつまみメニューもご紹介。こちらはタコサンウインナー（10匹）。
揚げ焼きされたウインナーは、一匹一匹に顔が入っています。甘いクリームソーダと、軽くつまめるウインナーの相性は文句なしに最高！
あと、見た目がかわいすぎてずるい。
クリームソーダと合わせて写真撮ると、意図せずにエモい感じの写真が撮れてしまう。クリームソーダの甘さ、タコサンウインナーのちょうど良いサイズ感と塩気で永遠に食べ飲みできる。
揚げ玉子サンドってどういうこと……？ と思って注文したところ、分厚い玉子焼きで作ったカツが挟まったサンドイッチでした。
玉子焼きってだけでおいしいのに、さらに揚げてしまうなんて罪な味……！ 玉子焼きとソースの風味もよく合います！
シメにはナポリタン（赤）を。
鉄板には玉子が敷いてあって、名古屋飯の「イタリアン」風。こちらのナポリタン、お好みでチーズとかりかりのパン粉を合わせた特製のふりかけをかけられるのがキッサカバ風。麺はもっちもちでした。
クリームソーダで新規客層開拓！？
クリームソーダをはじめフードメニューも以前のプロントのイメージからは異なるようなものばかり。どうしてプロントはここまでの変貌を遂げたのでしょうか。プロント広報の山下さんにお話を伺うことができました。
プロント山下さん：今、酒類のトレンドはハイボールやチューハイで、屋号も「居酒屋」ではなく「○○酒場」が主流となりつつあります。
――たしかに、街でも「○○酒場」をよく見かけるようになりましたね。
プロント山下さん：そこで、カフェは喫茶と置き換え、『昼は喫茶＋夜は酒場＝キッサカバ』にしようとなりました。
プロント山下さん：この二面性を、社内では大ヒットしたアニメ映画になぞらえて『千と千尋の神隠し戦略』と呼んでいます。
――千と千尋戦略！ 一体どんな戦略なのでしょうか。
プロント山下さん：昼のカフェが夜になると急にのれんがかかり、ネオンが光り、雰囲気が一変します。ちなみに店内BGMもカオスMIXと呼んでいる1980年代の洋楽や邦楽などごちゃまぜなものに変わります。
――BGMは特に、実際に現地に行かないと体験できないやつですね。
プロント山下さん：プロントは店前通行量の多い通勤導線上に多く店舗があります。朝の通勤でカフェのプロントを見ている方は、帰りに通りがかって夜のプロントを見るとびっくりしますよね。これが狙いです。
――今までのプロントを見慣れている皆さんはびっくりしますよね……！
――ちなみに、こちらでは1月のテストの段階からメニューでクリームソーダの構想があったんですよね。
プロント山下さん：キッサカバでクリームソーダを出したきっかけは、新規のお客様の開拓ですね。プロント創業は約30年前。その時から長く愛していただいているお客様が多かったのです。ですが、逆に言うと今までは新規客層の開拓をそこまで考えられてこなかったかなと……。
――新規客層の開拓が、昭和レトロやクリームソーダってことなんですか？
プロント山下さん：昭和レトロモダンは、今後のプロントのターゲットであるミレニアル世代（20～30歳代）にとってはどこか新鮮ですし、その時代を体験した中年層からすると懐かしさを感じます。そんな新しい×懐かしいがちょうど出会う業態を意識して構成しています。
――たしかにクリームソーダ、懐かしさもあり、新しさもあり、なんかエモいというのはわかります。
プロント山下さん：SNSでも評判が良く、 #キッサカバ ハッシュタグであげられる写真はクリームソーダが多いですね。
――やっぱりな～～。実際にクリームソーダを目にしたとき、想像以上にテンションが上がって驚きましたもん。クリームソーダには「力」がありますね。
クリームソーダには楽しい記憶が保存されている
クリームソーダってたぶん、好きだと思っていないだけで大人になっても本当は好きなのではないか――。新しいプロントを訪問して、そんなことを思いました。
ふと、小さい頃はお子様ランチが好きだったし憧れだったことを思い出しました。
小さい頃は自分でお金を持っていないから、親が連れて行ってくれないとお子様ランチを食べることは出来ない。
でも大きくなって、自分のお金を持てるようになったら年齢が大きくなってしまって食べることは出来ない。
だけど、大人になっても口にできる、幼少期の楽しい記憶を感じる飲み物。
それがクリームソーダじゃないかなと思いました。
お酒も、クリームソーダも。新しくなったプロントは、かつて子供だった私たちの潜在的な需要に応えてくれるお店でした。
海外を合わせて315店舗展開 （2021年6月末現在・そのうちプロント業態は218店舗） しているなかで、まだまだ「キッサカバ」実施店は多くないそうですが、あなたの街のプロントでもクリームソーダを飲める日が近いうちに来るかもしれませんよ！
紹介したお店
PRONTO 銀座コリドー店
住所：東京都中央区銀座6-2 コリド－街
営業時間：平日 カフェ 7:00～17:30 サカバ 17:30～20:00
土曜 カフェ 10:00～17:30 サカバ 17:30～20:00
日曜 カフェ 10:00～17:30
祝日 カフェ 10:00～17:30
※夜はキッサカバメニューを提供キッサカバ実施店舗はサイトでご確認ください。
※記事内の値段はすべて税込です。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください
※お酒の提供については、現在、国や自治体の要請に準じています
著者プロフィール
井口エリ（ちぷたそ）
オタク気味のサブカルフリーライター。最近は御朱印や神社仏閣に夢中。大人げない大人を目指して日夜くだらないことを考えています。「ねとらぼ」や「デイリーポータルZ」など、様々なWEB媒体で記事執筆中。
Twitter：@chip_potekko
ブログ：http://chiptaso.hatenablog.com/
Source: ぐるなび みんなのごはん
お酒がダメでもクリームソーダで乾杯すればいいんだよ…！PRONTOが始めた夜の顔「キッサカバ」が超楽しいぞ
