漆黒のかけそば、城の跡……知られざる深大寺を早朝に楽しむ

グルメまとめ

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名所をこねくりまわすのが好きなココロ社です。

 

今回は、時間と場所を少しずらせば新しい発見があるという話。

たとえば東京なら、浅草寺と並ぶ古刹として知られる深大寺と名物の蕎麦。代表的な楽しみ方としては、お昼のすこし前にバスで深大寺について、門前町の蕎麦屋で天ざるをいただき、深大寺にお参りし、国宝になった釈迦如来像を見、ああ、東京じゃないみたい、いい一日だった、と思いながら帰途につく……そんなところだろうか。(これはこれで楽しいことは言うまでもない)

 

今回は、混雑を避けつつお出かけを楽しむために、ちょっと違う深大寺の楽しみ方を提案させていただきたい。朝早めに行って昼には帰宅しているくらいのスケジュールをイメージしているが、これなら週末に行っても人が少なめで発見も多い。

 

深大寺へはバスで行く人も多いと思うけれど、調布駅から歩いても30分程度だし、街から徐々に時間が過去に戻っていく感じがして楽しい。

 

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たとえば布多天神社の脇の道は両脇の木の圧迫感が気持ちいい。

 

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深大寺方面にはさまざまなルートがあるが、どの道を通っても野川を渡ることになって得した気分である。

 

水生植物園で、蕎麦への気持ちを高める

蕎麦をいただく前に、なぜ深大寺=蕎麦なのかを確認しておきたい。まあおいしいからでもいいけど……。

稲作にあまり向かない土地で、近辺でさかんに栽培されていた穀物が蕎麦で、調理に必要な湧水が豊富にあったから……ということで、蕎麦を食べる前に蕎麦が植えてあるところを見て気持ちを高めよう。

 

まずは水生植物園に行く。植物園といえば神代植物公園で、水生植物園はマニア向けと見なされているふしもあって人の入りもほどほどだが、この土地ならではを知るには水生植物園は欠かせないし、何より気持ちいい。

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そもそもこの水生植物園の成り立ちが、水生植物が繁茂していた休耕田を調布市が買収したことによるもので、この近辺の湧水が今も豊富であることを示しているのである。

 

さりげなく国指定の史跡があるところが調布

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水生植物園から坂をのぼっていくと、深大寺城址が姿を現す。

城であったことを示す痕跡はほとんど残っておらず、丘のようになっているところや、写真のように石垣から想像するしかない。その代わり、近辺の公園と比べても人が少なく、朝に行くと無人であることが多い。なお、目立たないながらも深大寺城址は2007年に国の史跡に指定されている。

 

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この平地はかつて本丸があったところ。すでに16世紀には城ではなかったようだが、水生植物園からの道はなかなかに険しかったので、往時は攻めるのに難儀しただろう。

 

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建物の柱が見つかったところは印がつけられていて、想像力をたくましくすれば建物の姿が浮かんでくる。とくに関西出身者はこのシチュエーションを幼きころから平城京で学んでいるので得意なのである。

 

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この写真の右のこんもりしたところが土塁。奥に見えるのが特別に栽培している蕎麦畑である。

 

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たまたま花が咲いていたのだが、前回行ったときも咲いていた。いつも咲いている印象があって不思議……と思って調べてみたら、種まきから3ヶ月で実を成すらしい。ここは6月と9月に花を咲かせるらしく、しかもお出かけしたい季節に咲くから、行くといつも咲いているように感じるのだろう。

 

早朝から開いている蕎麦屋……priceless

深大寺近辺を歩きまわってそばへの気持ちをじゅうぶんに高めたあと、蕎麦屋に行く。

あえて深大寺から少し離れ、野川の近くにある「より道」というお店に行ってみた。なぜこのお店かというと、地元の人が普段行っている名店の味を味わいたかったからだ。「より道」という名前がその気軽さをズバリ表している。

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市場の近くにあることもあって開店時間が早いのも魅力である。朝6時15分から営業と書いてあった。始発で行って近くを散歩してから朝食としていただくのでもよい。

 

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メニューはシンプルだったが、せっかくだから一番豪華なのを、と思って山月そばにした。もりそばもできるのだが、カウンターでいただくならかけそばがよいかとなんとなく思ったのだ。

 

カウンターのみで、気軽に食べられるお店だが、そばのゆで置きなどはしておらず、都度作っている。カウンターから調理しているところがよく見えたが、茹でたあと水で締めて、一杯一杯丁寧に作ってくれた。

 

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つゆは一般的なかけそばよりも黒い。東京のそばの中でもかなり濃い部類に入るのではないだろうか。

筆者は関西出身なので上京したとき、うどんや蕎麦のつゆの色が関西と大きく異なっていて驚いたものだが、あのときの驚きが蘇った。いまからわたしはほかでもない東京の蕎麦を食べるのだ……と気持ちは最高潮に達した。

 

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蕎麦を食べるのにルールはないと思うけれど、ラーメンを食べるときはいつもスープを先に一口いただくことにしており、それにならってつゆを先にいただいてみたのだが、見たときの印象とは違う、やさしい味。醤油と鰹節の香りが強く、決して塩辛すぎない。

蕎麦もコシがあって香りが強い。山芋の味も濃くて、つい先ほど丁寧に作ってくれていたところを思い出して感謝した。

 

わたしの次に入ってきたお客さんは、メニューに一瞥もくれずにかけそばを頼んでいたのだが、地元の人らしく、羨ましく思った。この店が近所にあったら、早く起きてしまったら散歩ついでに寄るか、と思ってかけそばをすすったりするだろう。

 

単に深大寺の蕎麦というだけではなく、東京の蕎麦のおいしさを知ることができて意外な発見だった。今まではかけ蕎麦よりも、もり蕎麦がよいと思っていたが、ここのかけ蕎麦をいただいて、わたしのかけ蕎麦観が一新された。単に気軽に食べられる蕎麦というだけでなく、つゆのおいしさと相まって、独自のおいしさを発見できた。

 

メジャーな観光地でも、少し時間やルートを工夫すればまったく別世界の魅力が見えてくる。深大寺は遠いという人も、近くの観光地を探索して自分なりの楽しみを見つけてほしい。

 

紹介したお店

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著者プロフィール

ココロ社
ライター。主著は『マイナス思考法講座』『忍耐力養成ドリル』『モテる小説』。ブログ「ココロ社」も運営中。 

ブログ:ココロ社
Twitter:ココロ社 (@kokorosha) | Twitter

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Source: ぐるなび みんなのごはん
漆黒のかけそば、城の跡……知られざる深大寺を早朝に楽しむ

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