どうも、料理芸人のクック井上。です!
超異次元な海鮮丼を発見したので紹介させてください。やってきたのは、都営地下鉄浅草線の本所吾妻橋駅からすぐのところにある「野口鮮魚店」。
店頭に“築地まぐろ屋直営”“小さな魚がし”という文字を掲げる、地域に根差した鮮魚店です。
店頭では、新鮮なお刺身や海鮮のお惣菜が売られています。
そして店内では、海鮮料理を食べることができます。
今回は、こちらで食べられる絶品海鮮丼をご案内しましょう。その名も「朝一築地丼」!
ネーミングを聞いただけで、胸躍りませんか? さっそくオーダーして、着丼の時を待ちましょう。
ドキドキ、ワクワク……。そしてやってきたのがコチラ!
なんじゃこりゃーーー! オン・ザ・酢飯されているのは以下の具材。
- 赤エビ
- 鯛
- かんぱち
- サーモン
- タコ
- ネギトロ
- カニ爪
- ホタテ
- いくら
- 玉子
- インドマグロ
- 本マグロ
- あぶりマグロ剥き身串
- あぶり漬けマグロ
(※時期や仕入れ状況により、数や種類が変わる場合があります)
堂々14種の海鮮が山と盛られた丼、降臨です!
あらためて、こりゃ異次元だわ~。
これは、ただの海鮮丼ではありません。実は、海鮮丼にあるものがのっているのです。
答えはこちら、握り寿司!
新しいやないかーい! 丼と握りを両方味わえるのは嬉しいですね。
さっそくお醤油ちょいとつけて、いただききます。
美味い、美味い、美味い!(大事なことなので3回言いました)
隠し包丁が入ったマグロは舌触りもよく、シャリもフワッとして、ネタとシャリの一体感が素晴らしい。そのほかのネタも新鮮そのもの、プリップリです。さあ、あとはもう、無心に食べなはれ。
14種の海鮮を堪能しつくし、満腹になったのちに出てくる言葉は…
「これ、1,790円÷14≒ひとネタ127円でいいの?」
マジでお得すぎやしませんか??? 感嘆の言葉しか頭に浮かびません。
ここで、店員さんから思わぬ言葉が。
「『朝一築地丼』をさらにパワーアップさせた海鮮丼があるんですよ!」
「野口鮮魚店」は、このコロナ禍のなかで新たな店舗「ニダイメ 野口鮮魚店」をオープンさせたのですが、その目玉商品として「朝一築地丼」の上をいく海鮮丼を用意したというではありませんか!
そんな話を聞いてしまっては、大人しくしていられません。
翌日……
目指すは「ニダイメ 野口鮮魚店」がある東京スカイツリーやぁ!
ビューーーン。やってまいりました、スカイツリーの麓にある、ソラマチ商店街。
なかへ入って、数十メートル。ありました! ソラマチっぽい青色のネオンに包まれた「ニダイメ 野口鮮魚店」。
2021年3月26日にオープンしたそうです。東京に発令された2回目の緊急事態宣言が明けてすぐのころですね。攻めてます。
それでは「朝一築地丼」を超えると噂の海鮮丼を拝みましょうか。その名も「スペシャル豊洲市場丼」です!
“市場に行った人はわかると思いますが、この値段じゃ絶対に食べられない、、、”
とメニューに書いてあります。自信のひと品みたいですね。いざ注文!
期待を膨らませつつ待っていると…。うはっ、すごいのがやってきました~。
もはや、スカイツリーですやん! すっっっごい華やか。これはシャッターチャンスすぎます。
はい、着丼!
いやいやいや、もう溜息しか出ませんわ。
こちらはどんな海鮮がのっているのでしょう。店員さんが書き出してくださいました。
- 生海老
- 蒸し海老
- 泳ぎ真鯛
- かんぱち
- 生サーモン
- タコ
- インドマグロ多種部位切り落とし
- 本ズワイガニのカニ爪
- ホタテ
- いくら
- 小肌
- 穴子
- インドマグロ中トロ
- 本マグロ大トロ握り
- 希少部位マグロ串
(※時期や仕入れ状況により、数や種類が変わる場合があります)
威風堂々、15種の海鮮が満載です!
そして…こちらにものっていましたよ、握り寿司。“本マグロ大トロ握り”でございます。
ズームアイ!
おだやかじゃないねー♡
先ほど「野口鮮魚店」の「朝一築地丼」のことを“異次元”と称しましたが、「ニダイメ 野口鮮魚店」の「スペシャル豊洲市場丼」はもはや“超異次元”!
さっそく、本マグロ大トロ握りから喰らいましょう…パクッ!
これはアカン……とろける! “飛ぶぞ”のやつやないかーい。
あっさりとした上質な脂で、大人でも胸焼けなく食べられます。さすが本マグロの大トロ!
おっと、初手から放心している場合じゃありません。メインアクト級の具材がまだまだ目白押し!
希少部位マグロ串も蒸し海老も本ズワイガニのカニ爪も…
ホタテもいくらも生海老も、泳ぎ真鯛もかんぱちも生サーモンも…
インドマグロ中トロもインドマグロ多種部位切り落としも、小肌も穴子も…
サイコーですか? サイコーです!
なんなの、この“この世のすべての欲望”を満たすような「スペシャル豊洲市場丼」は。“夢丼”とか“神丼”とか、もはや“全王丼”と呼んでもよいレベル!
この超異次元な丼を生み出した「野口鮮魚店」「ニダイメ 野口鮮魚店」の代表・野口貴弘さんがいらっしゃいましたので、興味津々でお話をうかがいました。
「野口鮮魚店」の窓に“築地まぐろ屋直営”の文字がありました。
いまは市場が豊洲に移転しましたが、僕の本職は、築地のマグロ問屋「大宮商店」なんですよ。そちらの歴史は約65年、僕で3代目になります。自分がマグロを買って、お寿司屋さんや料亭、ホテルに卸すのが本来の仕事なんです。
なるほど。「野口鮮魚店」と「ニダイメ 野口鮮魚店」は、マグロ問屋のかたわら営まれているということですね。
はい。もともと「野口鮮魚店」は、20年ほど前に親父が引き売りで始めました。当時、僕は「普通なら1年かかることを1日でやりたい」くらいの極端な気持ちがあったので、「野口鮮魚店」ではなく、毎日凄い量の品物をさばく他のお店で板前修業をしていたんです。とにかく忙しいお店だったので、そこで1年働けば、普通のお店の何年分もの勉強ができるだろうと考えました。「大宮商店」でマグロを仕入れながら、他のお店で腕や知識、経験を磨く日々でした。
休みなく働かれて、いろんなことを吸収されたんですね。その後「野口鮮魚店」を2代目として継ぐことになった。
はい。僕には“マグロを仕入れてお客様のテーブルまで運ぶ”という行程を、全部ひとりでやりたいという野望がありまして。僕の代になってから、海鮮丼を出す鮮魚店にしました。
どういった思いから、そういう野望を持たれたのでしょうか?
基本的には、地元のお客様になにかを還元したかった。そのために“高級物の安売り”をやりたかったんです。世の中には、500円だ600円だっていう海鮮丼もありますけども、それだと一定の感動しか得られないし、どこでも食べられる。そこで、本来はドレスコードがあるようなお店でしか出てこないような上質で高級なものを、お得な値段で気軽に食べられる…そんな場がつくりたかったんです。そんな思いで、10年ほど前に「野口鮮魚店」を継いで海鮮丼を始めました。
まさに「野口鮮魚店」の「朝一築地丼」も、「ニダイメ 野口鮮魚店」の「スペシャル豊洲市場丼」も、その思いを具現化したような海鮮丼でした。
市場のお店で食べようと思ったら、確実に2倍以上の価格はすると思います。場所が場所ならもっとします。「ニダイメ 野口鮮魚店」の「スペシャル豊洲市場丼」は、いまはオープン記念価格でこの値段(2,200円)でやっていますが、本来ならオープン後1カ月でこの価格はやめるはずだったんです。ただ、いまは世の中がこんな状況なので、ある程度落ち着くまではこの価格で引き続きやっていこうと思っています。
本当に、超異次元のひと品ですよね。海鮮丼に“握り”がのっているのも嬉しかったです。
僕自身、丼もお寿司も好きで「丼にしようか…お寿司にしようか…」って迷うんです。それを両方満たすために、こういうスタイルで提供しています。どちらも万全の状態で提供したいので、お店には常に“握り”ができる板前さんが常駐しています。
最高です! ところで「ニダイメ 野口鮮魚店」は、世の中がコロナ禍で大変な折…2021年3月26日にオープンと聞きしました。なぜまた、観光客が減っていて大変な時に、この場所(東京スカイツリーのソラマチ)にオープンしたのでしょうか?
「野口鮮魚店」は、スカイツリーが建つ・建たないとは関係なく、地域密着の魚屋さんとして営んできました。いまでこそ観光のお客さんも足を運んでくれますけど、もともとは地元の方メインのお店。プラスアルファで観光の方が来る…というくらいの感覚だったんですよね。だから昨年、ソラマチ商店街への出店のお誘いを受けた際も、正直やるつもりはなくて、断っていたんです。ただ、地元のお客様から「出店してほしい」と背中を押していただきました。こういう時期だからこその巡りあわせとご縁をいただいたのかなと思って、店を出すことにしたんです。
地元の方だけでなく、観光客の方にも本当の魚の美味しさをお得な価格で知ってもらう機会ができたんですね。ところで、丼のネーミングなのですが、築地で「大宮商店」を営んでいたころに始めた「野口鮮魚店」の丼だから「朝一築地丼」、市場が豊洲に移転したあとに開業した「ニダイメ 野口鮮魚店」の丼だから「スペシャル豊洲市場丼」という名前にしたという感じでしょうか?
そうですね。ただネーミングだけでなく、「スペシャル豊洲市場丼」は「朝一築地丼」の2倍以上、クオリティをあげています。「朝一築地丼」でもかなりこだわってきましたが、「スペシャル豊洲市場丼」は本マグロの握りだけでも、他店なら1貫で数百円~1,000円を超えてもおかしくないようなクオリティですよ!
いかがですか? 他店なら2倍、3倍の値段が付いていてもおかしくない「ニダイメ 野口鮮魚店」の「スペシャル豊洲市場丼」。
……ってことは要するに、超異次元の海鮮丼を食べてお代をお支払いするものの、実質的にはそのお代が戻ってくるようなものなのでは?
これ、もはや無料なんじゃないでしょうか!?
すみません、興奮しすぎて論理が飛躍しすぎたかもしれませんが、「ニダイメ 野口鮮魚店」の「スペシャル豊洲市場丼」は、それほどまでに超異次元の海鮮丼ということです。
そして華やかな見た目も、単に流行りの“映え”を狙ったわけではなく、
「地元のお客様に還元したい!」「上質で高級なものを、お得な値段で気軽に食べてもらいたい!」
という、まっすぐで熱い思いがあって実現したものなのですね。その心意気を知ったら、ますます食べたくなったんじゃないでしょうか?
コロナ禍がなければ、出店していなかったかもしれない「ニダイメ 野口鮮魚店」。そこには、およそ65年続くマグロ問屋の熱い思いと、観光地価格の真逆ををいく地元密着価格で供される超異次元な丼がありました。
そうそう、「ニダイメ 野口鮮魚店」にも「野口鮮魚店」同様、お惣菜も販売されています。それらを買ってから帰ろうかな。
「豊洲直送!!特上中辛塩鮭焼」をGET。
おうちの食卓が鮮魚店レベルにUP!
なんと長さが24cm! 家族3~4人でも十分な大きさでした。
食べてよし、買ってよしなのは“地域密着の魚屋さん”だからに他なりません。
紹介したお店
ニダイメ 野口鮮魚店(ニダイメ ノグチセンギョテン)
住所:東京都墨田区押上1-1-2 東京ソラマチ イーストヤード 10番地 ソラマチ商店街
営業時間:11:00~22:00
定休日:不定休
野口鮮魚店(ノグチセンギョテン)
電話:03-5608-0636
住所:東京都墨田区東駒形4-6-9 リバーハイツワコー 1F
営業時間:11:30〜14:30(L.O.14:00)、16:00〜19:00(L.O.18:30)
定休日:水曜日、不定休有
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください
(編集:漆原直行)
著者プロフィール
クック井上。
フードコーディネーター・野菜ソムリエ・食育インストラクター・BBQインストラクター等、7つの食の資格を持つ料理芸人。 料理教室講師・食のイベントMC・レシピ開発・食品プロデュース等を務め、“最強料理芸人”の異名をとる。EX「『ぷっ』すま」やTBS「爆問パニックフェイス」の料理バトルでは優勝を果たしている。その他の出演歴は、NHK「グッと!スポーツ」・NTV「得する人損する人」・TBS「はなまるマーケット」・TX「TVチャンピオン極」等。
Twitter:@cook_inoue
Instagram:cook_inoue
ブログ:料理芸人・クック井上。の「ようこそブログへ クック クック♪」powerd by Ameba
Source: ぐるなび みんなのごはん
地域密着の魚屋さんの心意気よ…! 東京ソラマチ「ニダイメ 野口鮮魚店」の丼の盛りが異次元すぎるのでとにかく見てほしい