皆さんこんにちは、料理芸人のクック井上。です!
東京最大のコリアンタウンである新大久保には、あまたの韓国料理店が軒を連ねており、どのお店に入ったら良いかわからないほどですが、皆さんはどのようにお店選びをされているでしょうか?
“本格的な韓国料理を食べられるお店を選びたい!”と思っている方も多いと思いますが、今回ご紹介するお店はまさにそれ。
特に、このお店のとある特別なサムギョプサルを推薦したい。
ネットで検索する限りにおいては、その「とある特別なサムギョプサル」を1年中食べられるのはここだけ!
しかも、単なる飲食店ではないということを先にお伝えしておきます。
それではまいります。今回ご紹介したいお店がコチラの新大久保「テ~ハンミング」。
懐かしの日韓共催2002ワールドカップ開催の年にオープンして、今年で19周年の韓国料理専門店です。
店内には、来日した韓流スターが訪れた際のサインがいっぱい。
そして、お店の窓ぎわには4年物や6年物のフルーツの砂糖漬けが並んでいます。お砂糖がわりにお料理に使っているのだそう。
「テ~ハンミング」のお料理のこだわりや、いかに丁寧に作られているのかがうかがえます(期待高まる、ワクワク)。
お店のメニューはこのように多岐に渡りますが、
今回ご紹介したい“とある特別なサムギョプサル”というのが……「ミナリサムギョプサル」というサムギョプサルです。
ん? ミナリ? サムギョプサル? という皆様、ご説明致します。
ミナリというのは韓国語で芹(セリ)のこと。日本では秋田のきりたんぽ鍋の具材や春の七草として有名ですが、このセリを使った「ミナリサムギョプサル」は近年、韓国でとても人気があるサムギョプサルだそうなんです!
そして、この独特のクセのあるセリが、まさに文字通りくせ者。
一度、セリを使った「ミナリサムギョプザル」を食べたらYou can’t stop! もう普通のサムギョプサルには戻れない美味さなのです。
それでは魅惑の「ミナリサムギョプサル」の調理過程をご覧くださいませ。
1. バランスよく脂が入った豚バラ肉(三枚肉)とセリが運ばれてきます。
2. お店の方が鉄板に並べてくださいます。
3. さっと焼いたらハサミで食べやすい大きさに切り、こんがり焼いていくうちに余分な脂が落ちます。
4. ハサミで切ったセリと三枚肉を炒め合わせます。
5. あまり火を通し過ぎず、シャキッと感が残ったこの状態で完成!
これをサンチュで巻いて巻いて~パクっ!
うんめー! 自家製キムチの酸味と旨味+ちょっとしたお焦げの部分+サムジャン、そこにセリのほろ苦さがはじけ、シャキシャキ噛むたびにセリの独特の香りが鼻腔を包み込む…!
それをチャミスルやマッコリで流し込む…
マシッソヨー! 本当に、今までのサムギョプサルは何だったんだ?
この「ミナリサムギョプサル」は単にお料理として美味しいだけでなく、セリというお野菜の魅力を再認識できるという点で素晴らしすぎる♪
再度! もう普通のサムギョプサルには戻れないよ~。セリの魅力を教えてくれてカムサハムニダ、「ミナリサムギョプサル」&「テ~ハンミング」よ♡
す、すいません、美味すぎて取り乱しました…! お店の方にお礼を伝えたい&お話をうかがいたい気持ちでいっぱいです。
店主である朴賢子(パクヒョンチャ)さんは実は凄い先生だった
ご出身、来日の経緯を教えてください。
私は韓国の南西部の全羅南道(チョルラナムド)の出身です。日本に興味を持って、公務員を辞めて留学生として来日した夫と1991年に結婚しました。今年で結婚&来日30周年です。
アニバーサリーですね! 店先に“19周年”と書いてありました。お店の歴史を教えてください。
結婚後に子どもが生まれて(現在29歳&25歳)、子育てのためにアパレルなどでバイト。新宿で花屋さんを開店したこともありました。その後、2002年に日韓共催ワールドカップがあり、その時に勇気を貰い一念発起。焼肉店として「テ~ハンミング」を開店しました。
最初は焼肉店としてだったんですね。韓国料理専門店に業態が変わっていったきっかけは何ですか?
2003年~2004年ぐらいに『冬のソナタ』『チャングムの誓い』などが注目を浴びて第一次韓流ブームが起こりました。新大久保に観光客が増えて、“○○はありますか?”とのリクエストに応える形でメニューが徐々に増えていきました。
僕が初めて「テ~ハンミング」に来たのは、年に何度も仕事で韓国へ行く知人から“本格的な韓国料理を食べられるお店”として紹介していただいたのがきっかけです。
新大久保は観光地になっていて若い人がたくさん訪れる街ですが、韓国の本場の味を伝えたいと思っています。韓国本場のオリジナルの味を守ることをモットーにしています。
今回食べた「ミナリサムギョプサル」、とても美味しかったです。紹介していただいた方から、1年中食べられるのはおそらく「テ~ハンミング」だけだと聞きました。
韓国ではポピュラーな「ミナリサムギョプサル」ですが、実は最近の食べ方です。ただ、ミナリ(=セリ)は韓国では地域に関係なく、ミナリサムギョプサムやミナリナムル、いろいろな和え物、お鍋……と、日常的にたくさんの料理に使われます。ミナリは朝の市場でいちばん新鮮なものを入荷しています。
シャキシャキ感、香り、独特のクセ……「テ~ハンミング」でセリの新たな魅力、野菜のすばらしさに触れた気がします。
日本と韓国は隣で近く同じ野菜がたくさんありますが日本では食べられていないものがあり、それをもっと広めたいです。季節によっては、屋上でサンチュやエゴマの葉などの野菜も栽培してるんですよ。
わぁ、それは新鮮そのものですね!確かに韓国旅行に行った際も、テーブルいっぱいに並ぶおかずのおかわり自由の小皿「ミッパンチャン」に驚きました。豊富なお野菜が嬉しかったです。
韓国には、肌や健康に嬉しい素晴らしい料理が沢山あります。日本のみなさんに広めていきたいです。個人のスタジオで、キムジャンなどのお料理教室なども開いています。
お店で、本来の韓国料理の魅力に触れて料理教室に参加される方もいらっしゃるんでしょうね!
個人のスタジオのお料理教室以外にも、駐日韓国大使館の韓国文化院の料理講師を務めていて、お正月料理やどんぐり作り、発酵料理や春ナムルなどの授業を通じて、韓国の本来の食文化を伝えています。
食への愛が溢れてます! ビシビシ伝わります。今後の夢、展望は何でしょうか?
今まで、あらゆる苦難がありました。その度に料理教室をスタートしたり、ケータリングをスタートしたり、お弁当ビジネスをスタートしたり…。新型コロナウイルスでは、予想だにしなかったパンデミックで紆余曲折しながらも全国オンライン販売をスタート。その全てを通して伝えたいことは、韓国の食文化の伝統・基本・変わらないものです。また来たいと思ってもらえるお店、日本で韓国本場の味を守れるお店であり続けたいと思っています。
🐖🌿🐷
ここまで読んでくださった皆さん、ここが単なる韓国料理専門店ではないことがお分かりいただけましたでしょうか?
もはや、韓国食文化の発信基地といった様相なのです。
「ミナリサムギョプサル」以外にも食べたものを紹介しますね。
トトリムック
どんぐりを寒天状に固めたもの。しなやかで独特の食感。ヤンニョン(合わせ調味料)がかかっており、お酒がすすみます。
チャプチェ
上にのせられた錦糸玉子は、白身と黄身を分けられていて美しい。薄味と思いきや旨味十分。濃すぎないのがこんなに心地良いとは…。
クルジョン
牡蠣のチヂミ。火の通し方、抜群。プリップリ&プルンプルンで牡蠣の磯の香りが鼻にスーッと抜けます。
ナッコプセ
以前、「みんなのごはん」でも紹介されてましたね。タコ・牛ホルモン・海老の旨辛鍋。
あゝ、どれも単に美味しいだけじゃなく素材の素晴らしさが伝わる一品……ここは新大久保じゃなくて、大韓民国やー!
ちなみに、お店のメニューのほとんどはテイクアウト可能。五穀米を使ったキンパもフライド&ヤンニョンチキンも最高です!
なんだったら「ミナリサムギョプサル」もテイクアウトできるので、自宅で楽しむのもアリですね。
お得なランチもあるので、ぜひ行ってみてくださいね。
紹介したお店
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※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください
著者 クック井上。
フードコーディネーター・野菜ソムリエ・食育インストラクター・BBQインストラクター等、7つの食の資格を持つ料理芸人。 料理教室講師・食のイベントMC・レシピ開発・食品プロデュース等を務め、“最強料理芸人”の異名をとる。EX「『ぷっ』すま」やTBS「爆問パニックフェイス」の料理バトルでは優勝を果たしている。その他の出演歴は、NHK「グッと!スポーツ」・NTV「得する人損する人」・TBS「はなまるマーケット」・TX「TVチャンピオン極」等。
Twitter:@cook_inoue
Instagram:cook_inoue
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Source: ぐるなび みんなのごはん
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