こんにちは! チャーハンが大好きすぎる管理栄養士の佐藤樹里です。
どのくらいチャーハンが好きすぎるのかというと、日々チャーハン巡りに勤しんだり、チャーハン好きを集めたチャーハン会を開催したり、ただただチャーハンを食べる動画をSNSにアップしたり、チャーハンマニアとしてメディアに出演させていただいたり、とにかくチャーハンを愛しチャーハンに愛される(?)チャーハン尽くしの日々を送っています。
今回は、そんなわたしが2020年の炒飯アーカイブを振り返ってみて、皆さまにとくにオススメしたい最強かつ最新のチャーハン店情報をご案内いたしましょう。なお、軒数は「チャーハン、パラ(8)パラ(8)」にちなんで、選りすぐりの8軒としました。
美味しいお店がありすぎるので悩みましたが、今回は味わいの幅広さを意識しながら、チャーハンに秘められた多様性に注目してお伝えしていこうと思います。「落ち着いたら行く店リスト」に加えてくださいね!
では、さっそくパラパラっといってみましょう!
【おしながき】
【1皿目・東松原】「萬来軒」の何度でも食べたくなる定番チャーハン
最初に紹介するのは、京王井の頭線の東松原駅近くにある「萬来軒」です。店内は地元の人で常に賑わっています。
こちらは全席カウンターのため、どこに座っても店主の華麗な鍋振りをほぼ目の前で堪能できるんですよ! 技を観て、音を聴いて、匂いを味わう…まさに五感で味わうチャーハンライブ! 料理を待つ時間すら至高のひと時になります。
ですので他のお店でも、もしカウンターが空いていたら全力でカウンターに座りましょう。そう、チャーハンを食べる前からチャーハンを堪能するのが、正しいチャーハン道なのです(テンションが高くなってまいりました~)!
そうこうしているうちに、チャーハン(650円)が到着!
ご覧ください。この見た目から、もう間違いなしです。
ナルトのキレイなピンク色、卵の黄色、そしてネギの青みやチャーシューの茶褐色が合わさり、とても鮮やかで美しい。まるっとふんわりなお椀型をした、王道チャーハンです。
うーん、米粒はパラパラとほぐれつつも、適度にしっとりの食感!
美味しい。美味しすぎる。
塩胡椒がいい感じにピリッと効いていて、「次だ! 次だ!」とわたしの舌が次の一口を求めてきます。最後の一口までいつの間にかぺろっと食べてしまっていました。
全体のバランス感がよくて何度でも足を運びたくなる、間違いナシの王道チャーハン。ちなみにカニチャーハン(800円)もかなり美味しいので、贅沢な気分のときにわたしはカニチャーハンを頼みます。
東松原駅の階段を降りて3歩くらいのところにある萬来軒。
仕事帰りなどにも、ついつい寄りたくなるお店です。
渋谷駅からも電車に乗って10分くらいで着くので、落ち着いたらお気軽に足を運んでみてください。
※直近の営業時間・定休日・提供メニューは、店舗に直接ご確認ください。
【2皿目・錦糸町】「菜来軒」の盛り盛りガツンなド迫力炒飯
次に訪れたのは錦糸町。
チャーハンには関係ありませんが、下町出身のわたしはこの街に降り立つだけでホッとします。
こちら「菜来軒」の炒飯は、すでにさまざまなメディアでも取り上げられているほど人気の一品。
さぁ、さっそく五目炒飯(750円)を注文です。
カウンターに座ると、お店の女将さんが鍋振りをしている姿を観ることができます。なんてパワフルなんだ!
またもや鍋振りをじーっと見ながら、ワクワクして完成を待つこの時間を堪能します。
うほーーう!
なんだ、このド迫力の炒飯は…。美味しそう!
炒飯の上に卵焼き、エビ、かまぼこ、チャーシューがのっています。
ガツーーーン!
土台の炒飯にも刻んだチャーシューが入っているので、上の厚切りチャーシューと組み合わせたダブルチャーシューがガツンと深い味わいを奏でます。
塩胡椒がしっかりと効いていて、さらにガツンとくるお味もたまりません。
上にのっかっている卵焼きもふわっとしていて、土台のしっとり炒飯と合わさるともう、無限炒飯です。
錦糸町駅から徒歩15分くらい。スカイツリーを横目に散歩を楽しんでいると、気が付けば到着していることでしょう。
ガツンと活力を養いたいときにオススメの「菜来軒」五目炒飯。ぜひご賞味あれ!
※直近の営業時間・定休日・提供メニューは、店舗に直接ご確認ください。
【3皿目・神楽坂】「幸せのはし」のパラパラチャーハンがもたらす幸せの絶頂感
続いては神楽坂駅の近くにある「幸せのはし」です。こちらは創作料理とパラパラチャーハンのお店。
神楽坂の裏通りにあるのですが、お店の外観も店内もとってもおしゃれで一見カフェのようです。女性も気軽に入れそうな雰囲気ですね。
さっそく焼豚とレタスの定番チャーハン(800円)を注文。
なんと華やかなチャーハンなのでしょうか!
ランチタイムにお邪魔したのですが、ランチだと味噌汁やサラダ、さらにはデザートの杏仁豆腐までついてきます。嬉しい! これだけ充実しているのに値段も安い!
もう見た目からチャーハンがパラパラ感満載です。
ドキドキしながらスプーンをすっといれると、パラパラっとスプーンからこぼれ落ちる米粒たち。
一口食べると…うーーん! パラパラでふわっふわしてます!
口のなかが軽やか! とっても美味しい!!
味自体はわりとあっさりしているのですが、しっかり煮込んだ自家製チャーシューの旨味がチャーハン全体に深みを与えています。そこにシャキシャキなレタスの食感が加わり、それがまた美味しさを倍増。あっという間に完食してしまうほどです。
それにしても、このめちゃめちゃなパラパラ感。予想以上だなぁ。
このパラパラの秘密は、チャーハン専用に硬めに炊くお米だそうです。そして強い火力で一気に素早く炒める。カウンターからもチャーハンの鍋振りが覗けるのですが、圧巻の早業です。
チャーハンもさることながら、店内ではコースターなど随所でクローバーを見つけることができて、ほっこりとした名前のとおり、幸せな気分になれるお店です。
落ち着いたらぜひランチにも、ディナータイムにも足を運んでみてください。
※直近の営業時間・定休日・提供メニューは、店舗に直接ご確認ください。
【4皿目・志村坂上】「丸福」のチャーシューたっぷり美麗チャーハン
4軒目は志村坂上にある「丸福」にうかがいました。板橋区って、実は“チャーハンに熱い街”としてマニアの間で有名だったりします。
こちらは駅から少し離れた住宅街にある昔ながらの町中華屋さん。店内にはいるとテレビから流れる音や調理場の音などが耳をくすぐり、なんだか懐かしい気分になってきます。
では、カウンター席についてチャーハン(650円)を注文です。
この芸術的な盛りつけ! 美味しそうなビジュアルに衝撃すら覚えます。
チャーハンの上にのっているのは刻んだチャーシューです。2粒のグリンピースがアクセントになっていて、とてもかわいいですね。
真上からのぞいてみても、非常に美しい。
見ているだけで幸せを感じませんか? はぁ…ずっと眺めていたい。
うん! これだ!! この味を求めて、私は板橋までやって来たのだ! 美味しい!!!
思わず唸ってしまうほどの美味しさです。
しっとり・ふんわり・パラパラのすべてをバランスよく兼ね備えている食感。
土台のチャーハン自体はハムと玉ネギと卵が具材のシンプルなチャーハンで、チャーシューのジューシーな味わいに重なり合う玉ネギのシャキシャキ感がとても歯切れがよく、めちゃくちゃ美味しい。
ちなみに、完全に個人的なポイントですが、丸福はチャーハン半ラーメンセット(800円)もあります。ラーメン半チャーハンセットはよく見かけますが、このチャーハンがメインのセットがあるというところがまた最高です。
お店は志村坂上駅から徒歩15分くらいの場所にあります。
店内の設えも「これぞ町中華」といった風情で、心地よいレトロ感にホッとします。地元の人たちからも愛されるのも納得です。
※直近の営業時間・定休日・提供メニューは、店舗に直接ご確認ください。
【5皿目・新富町】目が釘付けになる「カレー名人」の本格カレーチャーハン
5軒目は新富町にある「カレー名人」。
店名のとおり、基本的にはカレーがメインのお店なのですが、なんと人気ナンバーワンのメニューがカレーチャーハン(1,000円)だったりするのです。
こっ、これは!! 動揺が隠せない…!!!!
チャーハンにたっぷりのキーマカレーがかけられ、ターメリックで色付けされた半熟卵が添えられています。この見た目は、やばい。しばし目が釘付けになります。と同時に、ジワジワと食欲がそそられてまいりました。
すっ……。
スプーンを差し入れる、この瞬間がたまりません。
スプーンを抜くと、一気にカレーのスパイシーなかおりが立ちのぼります。
う、うんまーーー!!
これはずるい。美味しすぎるコラボ。単体でも十分美味しい2品がお互いを高め合っている状況ですから、美味しくないわけがありません。
カレーの辛さはかなり控えめで、むしろ甘みがあります。日本人好みの味になるよう素材の旨味を引き出し、スパイスの調合にも気を配りながら作られているそうです。
そんなカレールーが、ほんのりカレー味のしっとりチャーハンに混ざり合うと、もうお口のなかがレボリューション。ひき肉がたっぷりとはいっているのでジューシーさもあり、パクパクと食べ進めてしまいます。
最後のほうはカレーチャーハンがお皿からなくなってくるのが悲しくなってくるほど。
なんて名残惜しい。「まだ! まだだよ!」なんて思いながらもスプーンが進み、みるみるうちにお皿からカレーチャーハンが消えていくのです。あぁ、無情。
「日ごろ食べているものとはひと味ちがう、個性派チャーハンを食べたい!」という気分のときに、ぜひオススメしたいカレーチャーハンです。
※直近の営業時間・定休日・提供メニューは、店舗に直接ご確認ください。
【6皿目・表参道】納豆チャーハンの美味しさを「ふーみん」で再認識
6軒目は、間もなく創業して半世紀を迎える表参道の名店「ふーみん」です。
ご両親が台湾出身という「ふーみんママ」こと斎風瑞(サイ・フウミ)さんが立ち上げたお店で、メニューのもとになっているのは、ふーみんさんが慣れ親しんだ家庭料理なのだとか。
さて、そんな「ふーみん」で人気の看板メニューのひとつが……納豆チャーハン! そういえば、お店で納豆チャーハンを食べたこと、なかったかも。これは気になるなぁ。
てなわけで、さっそく納豆チャーハン(1,500円)を注文です!
はい、来ました!
おぉ~、チャーハンのこうばしい匂いのなかに、ほんのりと納豆のかおりが…。個性的なかおりがガツンとくる感じではなく、上品に漂ってくる印象です。私は納豆好きなので、もう我慢できません!
納豆は小粒なので、見た目的には存在感が控えめですね。では、いただきます!
これは、うんまい!!
納豆の旨味が、お米、卵、ネギの味わいと絶妙に絡み合い、口のなかに広がっていきます。
納豆独特の粘りもなく、とにかく食べやすい。「こんなに納豆の旨味を堪能しながら食べることできるチャーハンが他にあろうか」「いや、ない」と、あまりの美味しさにいろいろな思考が頭のなかを巡っていきます。
これはもう、一度食べたらトリコになること間違いなしの納豆チャーハン。
正直なところ、実食前は「お値段が立派すぎかも」と思わなくもなかったのですが、それをあっさりと覆すくらい、圧巻の美味しさ。
納豆チャーハンだけでなく、他のメニューもとっても美味しいです。
なるほど、世代を超えて長年愛されているお店には、ちゃんと理由があるのですね。敬服です。
ふーみんは表参道駅から歩くこと約5分。ビルの地下1階にあるピンクの看板が目印のお店です。
ここでしか味わうことのできない絶品の納豆チャーハン、ぜひ食べてみてくださいね。
※直近の営業時間・定休日・提供メニューは、店舗に直接ご確認ください。
【7皿目・大森】「開華楼」のふわとろ玉子チャーハンにとろける
7軒目は大森にあるお店です。大森駅周辺も、美味しい町中華が多いんですよね~。
なかでも「開華楼(かいかろう)」のチャーハンはとくに絶品だよ! という噂を耳にしたので、訪ねてみました。
“昔ながらの町中華”感に落ち着きつつ、玉子チャーハン(660円)を注文です。
ふおぉぉぉっ、この卵の存在感よ! めっちゃ美味しそうだな、こやつ!
ふわっふわの卵が、シンプルお椀型チャーハンの上にたっぷりとのっています。
見た目だけで最高です。卵好きとしては、このシンプルに卵をフィーチャーした光景だけでイチコロ。
ふわっとろっ!
お口のなかで卵がふわっと広がり、そしてとろけていきます。その後、卵のベールの奥から次第にチャーハンの米粒が存在感を示し始めるのです。
土台のチャーハンはごはん、ネギ、少量の卵とかなりシンプルな構成。食感はしっとりとしていて、味もあっさりとした塩味です。
その上にのっかっているふわとろ卵のコクや旨味が、口のなかでしっとりチャーハンと溶け合い、最終的に非常にバランスのよい絶品チャーハンに昇華するわけです。
見た目だけでも幸せなのに、ひと口食べるともう天国。しかもシンプルなので、何度食べても飽きないでしょう。定期的に来たくなります。
チャーハンがあっさりとしているので、餃子との相性も抜群です!
それにしても、餃子が大きくてびっくりしました(笑)。
大森駅から徒歩10分ほど。地元のチャーハン愛好家たちが大事に通っているようなお店です。
※直近の営業時間・定休日・提供メニューは、店舗に直接ご確認ください。
【8皿目・六本木】歓喜するしかない「黒猫夜」の極上パラパラチャーハン
いよいよ最後、大トリで紹介しますお店は、六本木にある「黒猫夜」です。チャーハン仲間(?)から「ここのチャーハンは間違いなく美味しいよ!」と猛烈プッシュを受けたので、うかがってみました。
六本木の裏道に建つビルの4階にあがると、この扉。
「ほ、本当にここなのか!?」
いきなり登場した素っ気ない扉と、周囲の静けさに若干とまどう私。
えいっと扉を開けてみると……おしゃれなBGMが流れる、天井の高い店内が出現。とっても落ち着いた雰囲気です。
まさに「知る人ぞ知る、隠れ家のようなお店」という佇まい。
バーカウンターに座りました。
目の前で、これまた初めて見るような、紹興酒を使ったお酒を作ってくださいます。
おっと、おしゃれな雰囲気に酔っておりましたが、念願の「五目チャーハン」(950円)を注文しなければ。
うはぁぁぁぁ! なんだこれ!!
これを見て「お米がパラパラ~!」とリアクションしない人はいないくらい、紛うかたなきパラッパラ感じゃないですか!
おしゃれな器や華やかなあしらいも手伝い、さらに気分が高揚してきました。
ひと口食べると…パラッパラ! これぞまさしくパラッパラ!!(しつこい)
お米が口のなかで踊っています。ダンシングチャーハンです(?)
こちらのお米、ジャスミンライスを使用しているそうで、あとからほのかに広がる甘さがとても上品。
そして「このしっかりとしたシャキシャキ食感はなんだ?」と具材をよく見てみたところ、アスパラでした。鮮やかな緑色なので最初は長ネギかと思ったのですが、いやはや、このアスパラがまたいい仕事しているのですよ! パラパラのお米の中からときおり浮かび上がるアスパラのシャキシャキ食感とかおり。なんて心地よいアクセントなのでしょう。
味付けは、全体的にはあっさりとしているのですが、チャーシューの甘めの味付けが風味に奥行きを与えてくれています。繊細なバランスです。
口に運ぶごとに、2度、3度、4度…と表情を変えていくような、繊細な味わい。こんなチャーハン、初めてなのであります。
ひと言でいうなら、うますぎるぞ!!
2020年、このチャーハンに出会えてよかった…と、感謝の気持ちさえ込み上げてきます。
ちなみに他のメニューもかなり本格的で、抜群に美味しい中国郷土料理が楽しめます。チャーハンだけでなくドリンクからメイン料理まで、すべて美味しいのでぜひ堪能してみてくださいね!
こちらは季節の前菜盛り合わせ2人前(2,000円)です。かわいい置物が添えられるなど、演出面にも細部までのこだわりを感じます。
※直近の営業時間・定休日・提供メニューは、店舗に直接ご確認ください。
いかがでしたでしょうか。
どのチャーハンも個性がキラリと輝く、名チャーハンばかりです。
ひと言で「チャーハン」といっても、さまざまな見た目や味があり、本当に知れば知るほど奥深い世界だと痛感します。まだまだ、チャーハン道を極める旅路は続くのです!
この記事が、あなたのこれからの素晴らしきチャーハンライフのお役に立てれば幸いです。
パラパラ!
(編集:漆原直行 / 企画:河瀬璃菜)
著者プロフィール
佐藤樹里
水泳インストラクター兼管理栄養士として勤務後、フィリピン・カナダへ約1年渡航。現地のブランチレストランでカナダ人のシェフと共に働く。帰国後はアスリート向けの食堂と老人ホーム厨房にてWワークを経て独立。現在はスポーツイベント開催、栄養講座、ダイエットサポート、高タンパク質のヘルシーレシピ作成などを行う。炒飯が大好き。
[twitter] http://twitter.com/jurijapan1
[公式ブログ] https://asudorifactory.com
Source: ぐるなび みんなのごはん
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