どうも、料理芸人のクック井上。です!
とんでもないお店を見つけてしまいました…これはもう事件です。
日本橋小伝馬町駅から徒歩2~3分のところにある「食堂うなり」。
コロナ禍の2021年4月にオープンした同店。開業直後からとあるランチメニューが異次元すぎて、僕のまわりの食いしん坊界隈が「ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…」となったのです。
その異次元ランチメニューがこちら!数量限定「乗せ放題 まぐろ丼(貝汁豆腐付き)」(税込1,320円)です。
「コスパの向こう側へようこそ」って書いてありますが、これはよほどの自信がない限り、なかなか言えないフレーズではないでしょうか。
「でもまぁアレでしょ、あんまり上質じゃないまぐろなんでしょ?」と思ったそこのあなた、よ~く読んで!
「天然まぐろをストップ言うまで乗せちゃい〼」と書いてあるじゃあーりませんか!
期待に胸がドキドキ&ワクワクでございます。おっと、数量限定ですから、驚いている間になくなってしまうかもしれない。さっさとオーダーしましょう。「乗せ放題まぐろ丼」、お願いします!
で、やってきましたのがこちら。
こちらに、天然まぐろを乗せていくようです。
「お待たせしました!」と、店員さんが近づいてきました。
その手には山盛りの天然まぐろがどーん!
ズーーーーム!
ツヤっツヤ、プリっプリやないかーい
目を♡マークにしながら見つめていると、いよいよ始まりました“乗せ放題”ショー!
どやさ、見るからに上質な天然まぐろのぶつ。
わぁい、どんどん乗せてくださーい♡
おいおいおいおい、穏やかじゃないねー♪ しらす丼でこういうのを見たことがあるけど、天然まぐろでこれはたまらんねー。夢だねー、ワンダーランドだねー!
あーもうストップ! というか、もうこれ以上のせられない限界点までのせてしまいました。
それではご覧いただきましょう。
〈斜め上からの眺め〉
〈真上からの俯瞰〉
〈真横からはこんな感じ〉
どどーーーん、天然まぐろのエベレストやぁー!
もしかして、どれだけ常軌を逸した量か、いまいち伝わってないかもしれませんね…?
通常のまぐろ丼って、おそらくこんな感じ。
これでも多いと思いますが、そこからさらに…
お茶碗一杯分の天然まぐろがゴロゴロとのっちゃっているわけですね。
確かにこりゃ、コスパの向こう側だわ。
よし、いざ尋常に実食!
簡単にはご飯にたどり着かないので、上にのったトロの部分を、まずはお刺身スタイルで。
嗚呼、サラッとした上質な脂が口いっぱいに広がる…。
さすがの天然まぐろ様!
お次は赤身をいただきます。
新鮮なまぐろの赤身特有の旨味、そして鉄分の酸味が心地よい!(これで一杯やれる!)
少しご飯が見えてくるまで天然まぐろをお刺身で楽しんだ後、いよいよまぐろ丼として食していきましょう、パクっ!
これこれこれ、日本人全員が大好きなやつ!
天然まぐろの中トロ最高。そして、海苔から漂う磯の香りがさらに天然まぐろの風味を引き立てます。ご飯の炊き具合も抜群で、こりゃ絶品だ!
それもそのはず、なんと…
羽釜で炊いているんですって!
単純に“のせ放題”の仕掛けだけで訴求するのではなく、ご飯の炊き方にまでしっかりこだわりまくっているのが素晴らしいですね。
ご飯にも感動しつつ、途中でホッと一息つける「貝汁豆腐」がこれまたよき。
上品な貝の香りがしますが、どこにいらっしゃる?
おやおや、お豆腐の下にたくさんいらっしゃいました、しじみちゃん。
しじみの旨味成分であるコハク酸&グルタミン酸が身体の細胞一つひとつに染み渡り、三つ葉の香りが心を落ち着かせてくれます。
ここから再びまぐろ丼に戻って、ひたすらがっつくの巻。
天然まぐろのいろんな部位が入っていて、それぞれの魅力を堪能し尽せる丼です。
完食。ご馳走様でした!!
おなか一杯、腹十二分目って幸せだなぁ。
ここで注意点!
「乗せ放題」だからと言って、食べられない量をのせるのはご法度ですよ。
言い忘れましたが、メニュー表にはこんな記載があります。
※残したら罰金5万円です笑 他の方とのシェアもご遠慮ください
欲に目が眩まないよう、気を付けろー!!自分が美味しく食べられる適正量、さらに当日の食欲に合わせてのせ放題を楽しみましょう。じゃないと罰金が課せられて、違う意味で“コスパの向こう側”になっちゃいますからね。“残すならのせるな、のせるなら残すな! ”です。食品ロス反対!
さて、こちらのお店はランチメニューだけでなく、一品料理も異次元。
はずせないのが、右の赤文字の3品。
- お刺身盛り合わせ
- 名代生アジフライ
- あら煮大根
です。
まずは「お刺身盛り合わせ」から。
綺麗に盛り合わせされたお刺身たち!
この日は…まぐろ(勝浦)、たこ(岩手)、しまえび(北海道)、ぶり(千葉)、さわら(銚子)、あおりいか(舞鶴)、あおやぎ(愛知)というラインナップ。
お刺身として食べると、「乗せ放題まぐろ丼」とはまた違う味わいと舌触り。いろいろなお刺身が少しずつ楽しめるのは嬉しいですよね。
続いて「名代生アジフライ」と「あら煮大根」。
「あら煮大根」のあらは、あらのレベルじゃない!
しっかりと身がついていて、濃い目だが上品な旨味がつまったたれを付けながら食べると最高!これは日本酒がほしくなる一品。
そして特筆すべきは「名代生アジフライ」。断面にズーム!
かなりレアですが、皆さまお気づきでしょうか?
メニュー名が「名代生アジフライ」。そう、火が通ってないんじゃなく、あえてのレア(生)なんです。見た目はレアだけど、噛むと確かにやさしく火が通っている。しかしレアなので、舌触りがこれまで食べてきたアジフライとはまるで違う。
これは、初体験!アジ本人が、まだ火入れされたことに気づいていないんじゃないでしょうか?
そして下味ではなく、揚げた後に衣に振られた黒コショウもよいアクセント。添えてあるタルタルも、和食のお店らしくショウガのガリが入っていて、すべての仕掛けが素晴らしい。
こりゃオーナーさん、ただものじゃないぞ…!ということで、オーナーさんの山本怜さんに話をうかがってみました。
山本さんの経歴を教えてください。
2000年、21歳のときに東京農業大学を中退し、飲食の世界に入りました。銀座で和食の基本の基本を学び、その後は地元・埼玉の居酒屋会社に入りました。そこでは主にマネジメントを学びました。
その後、都内の渋谷・新宿・池袋など駅前の一等地に複数店舗を構える会社に入社し、組織づくりなど飲食現場以外のことを学びました。2014年に独立し、秋葉原で創業。現在は、ここ日本橋小伝馬町以外に、虎ノ門・王子・経堂・大宮にお店があります。
お話をうかがっているだけで、パワフルなお人柄が伝わってきます! ランチの「乗せ放題まぐろ丼」を“羽釜炊き立てご飯”というコンセプトでやろうと思ったきっかけを教えていただけますか。
圧倒的なコストパフォーマンスとお得感で、お客さんに驚いてほしかった。羽釜で炊くのは、日本人なら旨い米を食ってほしいと思ったからです。実は、意外と美味しいご飯を出しているお店って少ないんですよね。
天然まぐろの美味しさはもちろん、魚と一緒に食べる羽釜ご飯がこんなに幸せなのかと感動しました。その他のお刺身やアジフライなど、お魚はどれも新鮮で活き活きしていました。何か仕入れでの秘訣はありますか?
秘訣なんてないですよ。あえて言うなら、毎日、自分で直接市場を訪ねて、自分の目で確かめながら仕入れることでしょうか。雨の日も、雪の日も、二日酔いの日も、嫁と喧嘩した日も…とにかく毎日市場に仕入れに行っています! そこで培われた仲卸さんとの信頼関係が、秘訣といえば秘訣かもしれません。市場には他の誰かに行ってもらえばいいとおっしゃる方もいますが、仕入れは人任せにできません。
魚と仕事に対する真摯な姿勢に感服です。料理に用いる魚を決める際、特に大切にしていることがあれば教えてください。
自分が食べたいものを買う、食べたくないものは絶対買わない…ということでしょうか。そのうえで、私にとって魚の目利きとは“その魚を通してお客さまの喜ぶ顔が見えるかどうか”。そうした姿勢を大切にしています
新鮮なお魚から、その思いが十分に伝わってきました。最後に、今後の展望、夢を教えてください。
50歳までに田舎で隠居暮らしですかね。妻と世界一周旅行に行きたいです(笑)。
年がら年中、毎朝の仕入れとお店で忙しくされているでしょうから、それは奥さまも喜びますね! でも、山本さんはパワフルだから、世界でまた新たな美味しい魚を見つけて、それで飲食店を始めちゃいそうです(笑)。
ということで、今回は日本橋小伝馬町「食堂うなり」にお邪魔しました。
「乗せ放題まぐろ丼(貝汁豆腐付き)」には“コスパの向こう側へようこそ”というキャッチが添えられているわけですが、まさに向こう側を見せていただきました。
しかし、それはアミューズメント性だけではなく、毎朝の仕入れ、仲卸さんとの信頼関係など、地道な仕事の上に成り立っているものだと知りました。
“お客さまの喜ぶ顔が見えるかどうか”で魚を目利きしているという山本さん。
よし! 僕らお客はその思いに応えて、とびっきりの笑顔で食べましょう!
そして、飲みましょう!
日本酒も魚と同様、新鮮さにこだわっていて、300mlの小瓶で提供されます。
何もかもがとことん新鮮で美味しくて、最高の笑顔になること間違いなし!
みんな、その美味さと新鮮さ、そしてお得感に“うなる”に違いありません。
紹介したお店
食堂うなり 日本橋小伝馬町
電話:03-4362-7353
営業時間:11:30~22:30 ※魚介の売り切れ次第、早めのクローズもあり。
定休日:不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください
(編集:漆原直行)
著者プロフィール
クック井上。
フードコーディネーター・野菜ソムリエ・食育インストラクター・BBQインストラクター等、7つの食の資格を持つ料理芸人。 料理教室講師・食のイベントMC・レシピ開発・食品プロデュース等を務め、“最強料理芸人”の異名をとる。EX「『ぷっ』すま」やTBS「爆問パニックフェイス」の料理バトルでは優勝を果たしている。その他の出演歴は、NHK「グッと!スポーツ」・NTV「得する人損する人」・TBS「はなまるマーケット」・TX「TVチャンピオン極」等。
Twitter:@cook_inoue
Instagram:cook_inoue
ブログ:料理芸人・クック井上。の「ようこそブログへ クック クック♪」powerd by Ameba
Source: ぐるなび みんなのごはん
ストップかけるまで天然マグロのせ放題…!日本橋小伝馬町「食堂うなり」のまぐろ丼がホントにコスパを超越してた