こんにちは。韓国出身の料理研究家、金英貨(キム・ヨンハ)です。
突然ですが、皆さん! 韓国の釜山(プサン)に行ったことはありますか?
釜山はソウルと同じように賑やかな都市ですが、海が近いからかソウルに比べてエキゾチックな雰囲気がより強く、とてもロマンチックな街です。
いまはなかなか足を運べない時期…ということで、せめてレシピだけでもいかがでしょう。港町ならではの美味しい海鮮料理が充実している釜山名物のなかで、今回はとりわけ人気のメニュー「ナッコプセ(ナクコプセ)」を紹介します。ドラマ版『孤独のグルメ』にも登場した、魅惑の病みつき鍋です。
ナッコプセの名は「ナクチ(たこ)」+「コプチャン(ホルモン)」+「セウ(エビ)」を組み合わせた略語からきています。
この料理はもともと、労働者の食事として好まれた庶民的な郷土料理なのですが、いまでは地元の人々だけでなく観光客にも大人気のソウルフードになっています。
コリコリしたタコとジューシーな牛もつ、プリプリの海老という3食材の魅力がほどよく融合して、さまざまな食感が楽しめるナッコプセ。〆には濃厚な旨辛スープにご飯を入れて炒め合わせれば、もう完璧です!
釜山名物ナッコプセを作ってみよう!
それでは、さっそくレシピを紹介します。
材料(2人前)
- 生の水タコ(下処理済み)・・・200g
- 牛小腸(下処理済み)・・・200g
- 海老(下処理済み)・・・6尾
- キャベツ・・・1/8個
- 玉ネギ・・・1個
- ニラ・・・1/3束
- 春菊・・・1/3束
- 長ネギ・・・20cm
- えのき・・・50g
- 昆布だし・・・300ml
- 赤・青唐辛子・・・適量(あれば)
- 春雨・・・適量(水で戻しておく)
- 【以下A】
- コチュジャン・・・大さじ2
- 唐辛子粉・・・大さじ2
- 醤油・・・大さじ1
- 味噌・・・大さじ1
- みりん・・・大さじ1
- おろしニンニク・・・大さじ1
- こしょう・・・・小さじ1/2
〈下処理の方法〉
・生の水タコ:ボウルに水タコを入れて、塩ひと掴みをふりかけ、全体に塩を揉み込みながら表面のぬめりを落としていく(吸盤の中までしっかり洗わないと臭みが取れません)。十分に塩揉みした後、流水で塩やぬめりを洗い流す。
・牛小腸:ボウルに牛小腸を入れ、薄力粉をまぶし、全体になじんだら流水で洗う。
・海老:尾を残して殻を剥く。
作り方
1. ボウルに牛小腸とAを入れ、よく混ぜ合わせる(味を染み込ませる)。
2. 野菜を切る。キャベツはざく切り、玉ネギはくし切り、長ネギは斜め切り、ニラは4cm幅に切り、えのきは根元を切り落とす。
3. 鍋にキャベツをしき、その上にほかの野菜と水タコ・海老をのせ、真ん中に1.をのせる。
4. 3.に昆布だしを注いで強火で10分ほど煮る。煮立ったら、さらに弱火で10分ほど煮る。赤唐辛子、青唐辛子があれば、このタイミングで入れて辛さを引き出す。
5. 4.に春雨と春菊を加えてサッと煮たら、水タコはハサミで食べやすい大きさに切る。
はい、できあがりましたー。
まずはたっぷりと旨味を吸い込んだ春雨を食べてください。
この食感……たまりません!!
スープをひとくち飲めばすぐにわかると思いますが、タコ+ホルモン+海老から出たダシの強烈な旨味に圧倒されることでしょう。野菜からもダシが出るので、スープはさらに濃厚さを増していきます。
より辛さを求める方は唐辛子粉や赤・青唐辛子を追加してもいいし、ラー油をかけてもOK! ごはんのおかずとしても、お酒のアテとしても最高です。
そして最後のお楽しみ、待ちに待った〆ごはん!
鍋に少しスープを残しておいて、そこにごはん、韓国海苔、ごま油を入れて炒めたら、美味しさ炸裂の“ナッコプセの炒め飯”が完成です。
鍋の底が見えるまでスプーンが手放せませんよ!
タコ、ホルモン、海老の完璧なる調和! これこそナッコプセの醍醐味です。
冬の寒さ、そして昨今の難局を乗り切るためにも、食欲アップでパワーがみなぎるナッコプセをぜひ作ってみてください。
(編集:漆原直行 / 企画:河瀬璃菜)
著者プロフィール
フードコーディネーター. 料理研究家
1977年8月19日生まれ。韓国出身。
食のコンテンツ企画制作会社や食品企業にて、レシピ開発やスタイリング、フードコーディネートを手がけます。書籍、雑誌、動画などのフードコーディネートも担当させていただいています。
韓国料理を得意とし、韓国の家庭料理からおもてなし料理の料理教室の講師も務めています。
Source: ぐるなび みんなのごはん
タコと海老とホルモンの濃厚な旨味に悶絶…!ゴローさんも釜山で爆食した「ナッコプセ」のレシピ